私の少ない趣味の一つに映画鑑賞があります。フランスのピアニスト、ジャン・マルク・ルイサダ氏も音楽家なら映画を観るべきだ、とおっしゃっていて、いたく同感。ルイサダ氏以外にも、音楽家、ピアニストで映画好きな方大勢いらっしゃいます。映画は娯楽でもあるけれど、アートとも言えます。感動を伝えるアートの一つ。先のルイサダ氏は、レッスンの合間に弟子達と映画鑑賞することもあるそうです。

しかも、溝口健二監督の山椒大夫!!とか…

し、し、渋っ(観たことない…今度、めちゃくちゃ暇な時にみよ笑)

  

 そこまで通ではありませんが、とりあえずは、今年のオスカー受賞作品くらいは押さえておきたい、と先日近所でオッペンハイマーを観てきました。一度みただけでは、歴史の勉強不足な私には難しかった。絶えずセリフに溢れ、登場人物の名前がワンサカ字幕に流れ、新しいカタカナがインプットされにくくなり始めた脳にとってめちゃ忙しい時間。ただ、演じる俳優は錚々たるメンバーです。(特に、この作品で主演男優賞を得たキリアン・マーフィー氏は、むかーし、アイルランド戦争を描いた「麦の穂を揺らす風」の時から注目していた俳優さんで、感慨無量。)

 

 広島に原爆が落とされた瞬間のシーンでは、胸がえぐられそうな思いでした。この下でどれだけむごい事が起こっているかを想像だにしたくない!被爆者の方たちが「ピカドン」と形容される意味がわかる場面でもあります。

 同行の夫も行きの車で、「気が重いなぁ」と言ってました。確かに日本人としてはそれが本音ですが、それでも、クリストファー・ノーラン監督の、『何故いまなのか?』の偉業を思いました。

 原爆開発者のオッペンハイマーを讃えるわけでもなく、アメリカ、日本、どちらにも傾いていない。開発者の苦悩と被害者の被害。正直、日本人としては被害の実体をもっと描いて欲しかった、と言うのはあります。これはこの映画ではオッペンハイマーに襲いかかる悪夢で描写されます。

 いつまで経っても過去を学ばず、戦争をしたがる人間の業を思います。

 親しい方からは「忙しい中、いったいいつ映画を観るの?」とよく言われますが、近場で観れることができるようになったのもありますが、最近はやはり、配信系ですね⁈アマプラ、ネトフリ、、、

しかしむしろこれらの配信系では、映画というより、スポンサーの支配を受けない為、本当の本当を見せてくれるドキュメンタリーが何より嬉しい。「えーーーっ、そんな事実が隠されてたの?」「え、えー、そこまで見せていいの⁇」世の中の裏面も観れるというわけです。特に今、隣国を犯している某国の陰謀のさまざま。オッペンハイマー氏が生きていたらなんと思うのでしょうか⁇