タイラントのブログ

エリカ・バドゥの1stアルバムです。

初めて聴いたのはいつだったかはっきりしませんが、1997年発売だからすぐには聴かなかったとしても10年くらい前だと思います。


当時21・2才で、それまではヨーロッパ、というかイギリスを中心に、十代後半から聴いていた電気グルーヴを介してテクノを、モンドグロッソDJ Krushを介してアシッドジャズとか後にトリップ・ホップだったりドラムン・ベースって呼ばれるようになる音楽ばかり聴いていて、知らないくせにアメリカの音楽は完成度は高いけど保守的で古臭い、自分の聴いているヨーロッパのクラブミュージックは、発展中で完成度は低いけど新しいし、洗練されていて刺激的。ってどこで仕入れてきた情報なのかわからない事を勝手に思っていました。・・・書いててかなり恥ずかしいですが・・・


そんな的外れな先入観いっぱいで聴いたバドゥイズムは、ボーカルもバンドも思いっきり自由でシンプル。すごく洗練されたアルバムでした。もちろん聴く前の思い込みは吹き飛ばされました。


・・・もうひとつ恥ずかしいことを告白すれば、このアルバムを買おうと思ったキッカケは、紹介されていたときの謳い文句の"ニュークラシックソウル"の"ニュー"という文字を見てでした。当時のわたしは新しいこと=良いことと無批判に思い込んでいました・・・馬鹿ですね~


話をアルバムに戻して。ザ・ルーツのメンバーを中心としたバックバンドは、ヨーロッパのアシッドジャズの中でもソウル、R&B寄りのバンドと比べても全然タイトでクロいので濃厚に感じるのですが、その分エリカの声にユルさというか浮遊感があってバランスが取れています。囁くようにうたっていて音域も広くないのになぜかメリハリもついている、本当に不思議な歌声だと思います。とにかくこのバランスが新鮮で気持ちよかったです。


彼女は歌手として天才とは言えないかも知れませんが、すばらしく個性的な声や、佇まいというか彼女の外見的な部分も含めて生まれ持ったものの魅力を最大限に表現する自己プロデュースの天才だと思います。


そしてそのセンスこそがニュークラシックソウルの"ニュー"な部分で、既存のソウルミュージックとの相違点、ヒップホップ的な編集・再構築でソウルミュージックを作り出すセンスなのだと思います。


どの曲も好きですが、CertainlySometimesはバージョン違いで2曲ずつ入っていたり、違う曲の中でも何度も同じフレーズを引用しているのもヒップホップな感じがします。バックは紛う方無くヒップホップバンドだし。




ジャンルなんてどうでもいい事なのかも知れないけど、これはヒップホップアルバムなのかも知れません。