アメリカのコミックが原作の映画です。
シン・シティ(罪の街)が舞台の3編のオムニバスで、それぞれ主人公は違いますが、ストーリーも登場人物も関係しています。
アクションもバイオレンスもセクシーな表現もそれなりにハードでした。
監督は、ロバート・ロドリゲスと原作者のフランク・ミラーで、一部のシーンのみクエンティン・タランティーノが監督をしています。脚本もロバート・ロドリゲスとフランク・ミラーです。
ロバート・ロドリゲスが大好きな原作を忠実に実写で映像化することを目的に制作されているようで、メイキング映像を観てもフランク・ミラーは監修に近い立場で、技術的な事をロバート・ロドリゲスが担当しているようでした。
基本的に全編モノクロで、効果的に強調したい部分はカラーを使っています。モノクロだと普通に撮影しても陰影が際立つのですが、照明や光沢のある衣装を使ってより明暗を強調してあって、かなりキレの良い映像になっていました。
出演者で印象的だったのは、2話目に出てくるクライブ・オーウェンというイギリス人俳優とベニシオ・デル・トロというプエルトリコ人の俳優で、クライブは一見すると誠実そうなのにどこか自己破滅的な危なっかしい部分も持ち合わせていて、若いときの役所広司みたいな人で、ベニシオはワイルドなのに高い知性も感じさせて心の底が見えにくい人。2人ともすでにかなりキャリアがあるようですが不勉強で知りませんでした。
ネタバレになるので細かいことは書きませんが、彼らが2人きりになって会話するシーンのやりとりは、ここだけゲスト監督しているタランティーノの独特のユーモアや映像表現もあって、かなり楽しかったです。
他にはブルース・ウィリスが相変わらずイイ顔をしていました。ジョシュ・ハートネットは出演時間は短いものの印象深かったです。おいしい役かも。ジェシカ・アルバは、容貌は可愛らしい感じなのに照明だけじゃなくて、自ら光を放出しているんじゃないかってくらい輝いていて、神々しささえ感じてしまいました。正にフォトジェニック!
背景は全て合成で、俳優の演技はグリーンバックの前で行なわれたそうですが、アクションは現実離れしているし、特に違和感はありませんでした。モノクロで画面の質感も統一されているからかも知れません。
それより気になったのは、血が白かったこと。今まで観てたモノクロ映画で血が黒いのも気持ち悪いと思っていましたが、白いと人間の血じゃないみたいでした。血がたくさん出る映画で、映像の暗部も多いから見分けが付き易いようにそうしたのかと思いますが、ちょっと違和感がありました。血だけ赤くパートカラーに出来ないのかな?
ただ、その部分も含め分かりやすくしようというサービスは満点で、漫画や小説が原作の時にネックになるト書きや内心の独白は全て主人公にモノローグで語らせていて、普通の映像作家なら嫌がりそうなくらい過剰に言葉で説明させています。この辺は映画より更に分かりやすさを求められるコミックの作家であるフランク・ミラーが参加している影響があると思いますし、これで良かったと思います。
ロバート・ロドリゲスの趣味のような映画ですが、しっかりエンターテイメントに昇華されていて楽しめました。作品そのものが良く出来ていたのもありますが、原作のコミックを知らないのも良かったと思います。
原作付きの映画は原作を先に見ていると頭に描いた映像や、細部の違いばかり気になって楽しめないことが多いです。なので、原作は後で見ればよいのですが、原作は当然先に発表されますし、原作の評価が高いから映像化されるので、そのつもりは無くても既に原作に触れている事があります。悩ましい問題です。
続編も公開される予定だということなので、楽しみです。
