戦後、満州大連からの引き揚げ船で初めて日本の土を踏んだ私は「ふるさと」と呼べるところを持たぬまま十代を迎えました。
1960年、俳優を志して上京した私にとっては、住み込みのバイト先、銀座での生活がスタート。それこそ歌詞にある「銀座の柳」のもとで、中・高校時代を過ごした北九州若松に言い様のない郷愁を覚えたものです。
この春、北九州市観光大使を引き受けました。そして「ふるさと大使連絡会議」と繋がったのです。
「ふるさとおこし」といえばまず名産品の紹介、地元の風光明媚な観光スポットの案内等がイメージされます。だが私の携わる芸能の世界はまさにイメージの紹介、提供で、目に見え手に触れる「もの」ではありません。受けとる皆さんの個々の好み、感性、関心の度合いによって評価が違います。長い間テレビを独占していた時代劇も一段落ー。これまで続けてきた舞台に集中して取り組み一人でも多くの方に芝居を楽しんでもらいたいと願っています。昨年、今年と二年続けてTYプロ企画制作の「リア王」を三越劇場で上演し、良い評価を得ました。残念だけど北九州での公演は実現してませんが、来年は福岡市で中高生中心に見て貰えるよう交渉中で、決まれば嬉しいんですがね~  名産品の紹介、販売と名作観劇のソフトをジョイント、名所旧跡の探訪と観劇ツアーのセット等企画してもらえたらなあと願っています。
勿論来年も夏にはリア!?      22日午前9時25分。横内 正。
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