またかなりさぼってしまいましたが、正直あまりネタが無くて…。

 

というのは言い訳ですので再開します。

 

さて、本日は表題にあるとおり特色データのカラー分解(分版)に関してのお話です。

 

プロセスカラーのみでの印刷案件でもたまにクライアントからのデータには部分的に「パントーンの何番」とか「DICの何番」という色の指示があったりしますが、印刷側としてはあくまでも「カラー印刷で表現出来る範囲」でのことであり、こだわるのであればそれはもう特色で印刷するしか無いわけです。

 

ですが、コストと時間の問題から「出来る範囲でいいのでカラーのみで合わせてください」という指示がくるわけです。

 

この「出来る範囲」というのがくせ者で、数値化出来るわけでもなく個人的な「感覚」の世界になってしまうわけですね。

 

少し話が逸れますが、例えば四角いデータを「出来る範囲で丸く」とお願いされた場合に6角形にしただけでも多少丸くなってるのでいいかなーと思えば「出来る範囲で丸くしました」と言えてしまうわけです。クライアントからしたら「これは丸くなってない」「いやいや、四角よりは丸くなってますよ?」という水掛け論ですよね。

 

話を戻します。

 

大前提として、印刷オペレーターは製版されたものを会社毎の基準(濃度やドットゲイン)に合わせて印刷をするだけなので、厳密に言えば印刷機上で色を合わせるということは出来ませんというかしません。

 

基準に沿った印刷をした時に結果的に色が合うようにしているだけなのです。

 

ですので根本的に色を合わせるのは製版のお仕事なわけですが、大多数の印刷会社が「色を合わせるのは印刷オペレーターの仕事」と勘違いしています。

 

カラー印刷に限って言えば、印刷オペレーターが合わせるのは「基準に沿った印刷物であるかどうか」であって「色自体をコントロールすること」ではありません。

 

シアン100%ベタにマゼンタ50%の紺藍を「もうちょっと紫っぽく」しようとした場合、シアンの濃度を下げるもしくはマゼンタの濃度を無理して上げることでその部分だけは解消するでしょうが、それ以外のバランスは色調・インキ・湿し水すべてが総崩れとなります。

 

こうならないように製版でマゼンタを80%にして通常の基準で印刷をするのが正しい手順なわけですが「データ通りなので」とか「版の出し直しがもったいない」とかいろいろ言い訳をして印刷オペレーターに負担を強いる会社のなんと多いことか。

 

人間というのはどんなことに対しても「自己防衛本能」が働きますので「自分は悪くない、ちゃんとやっている」という部分が最初に出て来がちですが、そこは同じ会社の仲間な訳ですからそこから一歩引いて「どうしたらより良くなるのか」という視点を持ってもらいたいですね。

 

あ、特色からちょっと話がズレたので続きはまた次回にします。