まずはじめに、すべてのブログ内容はあくまでも「個人的な見解」であることを明記しておく。

 

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<通称スケルトン胴の落とし穴>

 

さてさて、毎日毎日かなり暑くなってきましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

今回は印刷技術ではなく印刷機の構造についてちょっとだけ。

(※表題にある「スケルトン胴」ですが、各メーカー呼び方が違うかもしれませんので通称としてあります)

 

まずスケルトン胴とはなにか?

 

これは印刷機で言うところの「渡し胴」の部分になりますが、簡単に言えば胴の部分が空洞でグリッパーのみが回転しているタイプの構造になっており、インキ面が触れる面が空洞になっているため主にキズ防止の目的で導入されることが多いかと思います。

 

特に厚紙・板紙系およびフィルム系をメインの仕事にしている場合は必須かもしれませんね。

 

この機構のすばらしいところは、先ほども書きましたが「キズ防止」とオペレーターにはめんどくさい渡し胴フィムルの清掃および貼り替え作業が全く必要ないと言うところ。

 

そんなすばらしい機構なら全部の印刷機に標準装備させたらいいんじゃないか、と使い始めた当初は思っていたのですが思わぬ落とし穴が・・・。

 

このスケルトン胴、薄紙には適正が低い(というかほぼ無い)のです。

 

おそらく機械を新台で購入する時にまずスペック確認をするのは当然で、これまた当然のことながら印刷可能紙厚も確認をしていると思います。

 

が、これはあくまでも「標準仕様」でのスペックであり、オプション仕様になるとこのスペックは「一部」変更になるのをご存知でしょうか?

 

たとえば、今回のような「厚紙および特殊原反仕様」にするため渡し胴をスケルトン胴にした場合、某メーカーでは標準仕様が「印刷可能紙厚0.04㎜~0.8㎜」だったとしても「適正紙厚は0.2㎜~0.8㎜」となってしまいます。

 

もちろん、0.04㎜の紙厚でも印刷は「不可能」ではないので仕様書には「0.04㎜~」となるわけです。

 

が、「適正印刷紙厚は0.2㎜~」でありこの部分はあまり詳しく説明されないまま購入の話は進んでいきます、通販サイトの隅っこに小さな文字で書かれているアレと同じような感じですかね。

 

自分の経験では新台導入時の操作指導をしてもらった指導員の方に「だいたい0.2㎜以上じゃないとシワ入ったりするから気をつけてね」みたいに注意を受けた程度です。

 

次に、なぜ適正紙厚が変わってしまうのか?

 

これは単純に「巻き付く胴が無い=紙が薄いと胴間でバタつく&シワが入る&折れる」ためです。

 

要するに、胴間でバタついたり縒れたりしない程度にコシのある原反であれば良いわけで、コシの強さにもよりますがその分岐点がおおよそ0.15〜0.2㎜くらいなわけですね。

 

しかしまあ、ここをなんとなくスルーしてらっしゃる経営陣の方々が非常に多く、「なんで0.2㎜より薄いと刷れないんだ!仕様書では0.04㎜から使えるんだろ!」となるわけで、これはある意味メーカーの責任だと思うわけですが、みなさんいかがお考えでしょうかね。

 

「仕様」と「適正」、簡単なようで理解してもらえないこんな落とし穴にはまらないようにしたいものです。

 

あ、ちなみに0.2㎜以下では「全く印刷出来ない」わけではありません、自分の使っていたメーカーの印刷機だと原反によってはまともに印刷出来ない場合もあるということですので悪しからず。

 

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「ここ間違ってるよー」とか「こんなことも書いてー」ということがあればコメント欄にお願いします(o´・∀・`o)ニコッ♪