まずはじめに、すべてのブログ内容はあくまでも「個人的な見解」であることを明記しておく。
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さて、ちょっと忙しくてひさびさの更新となってしまいましたが、本日はショック目について。
ひとくちに「ショック目」といってもいろいろな出方の種類がありますが、すべての原因は基本的にブラン胴および版胴の「仕立て」に集約されるといっても良いでしょう。
特に「ブラン胴の仕立て」が重要なのは周知の事実かと思いますが、今回はこれについてなぜ大事なのか「個人的な見解」を詳しく書いてみます。
そもそも、ショック目とはなぜ発生するのか?
これ自体は簡単な理屈で、仕立てが規定以上になっている場合、胴の切りかけと呼ばれる部分でギャップ(圧力の変化)が起こることによって、そのギャップ発生タイミングで触れている対角線上の部分にだけ帯状の少し濃い部分が出来てしまうわけです。
オフセット印刷機は基本的に「超精密機械」の部類になるので、ほんのちょっとの誤差でトラブルが発生するような繊細なセッティングが必要になるわけですが、あまり気をつけているように見えない会社が多いのも事実です(自分が知っている範囲ですが)。
特にブラン胴での仕立てミスは版胴と圧胴にはさまれる位置関係にある為、過剰にかかった圧の逃げ場が無く、版胴の仕立てミスよりも影響が出やすいのでは無いかと。
ちなみに、仕立てが間違っていて過剰な圧がかかると機械的には数トンもの過負荷がかかるそうです。
では次にショック目の見分け方ですが、大雑把に言えば天地方向に対して「クワエ側から真ん中」に出るのが版胴とブラン胴によるショック目、「真ん中からクワエ尻」に出るのがブラン胴と圧胴によるショック目と考えてもらえれば良いかと思います。
「個人的な」経験上、ブラン胴と圧胴で問題があると真ん中付近に1本だけショック目が出やすく、版胴とブラン胴で問題があるとクワエと真ん中の2本ショック目が出やすいです。
次に対策ですが、まずはシリンダーゲージを必ず用意することです。
ショック目の対策として有効なのは、版下フィルムやブラン下パッキンを交換した場合、必ずシリンダーゲージでオーバーベアラが適正かどうか確認することです。
この確認さえしっかり出来ていれば基本的にショック目は出ないはず。
あと、出来ればこのタイミングで最大用紙をある程度空通しをすることで初期ブランヘタリを意識的にやっておくこと、これでほぼ問題ないかと思います。
また、発生してしまった場合の対処としては、ショック目の原因は原則的に「仕立てミス」ですから
①単色ずつ印刷をしてショック目が発生する位置と胴を調べる
②その胴をシリンダーゲージでCheckする
③仕立てがおかしい部分を規定値に変更する
この3つで大丈夫かと思います。
あり得ないとは思いますが、ブランケットが緩んで目が出るとかそういうのは論外ですが・・・増し締めしてください。
ちなみに、この対処でおかしなところが無い、またはショック目の出ている位置がセオリーに当てはまらないという場合、もしかしたら呼び出しローラーのニップが強すぎて往復運動時にショック目として出ている場合もありますので参考までに。
余談ですが、文中にある「対策」とは前もってやっておくこと、「対処」とはその場にあわせた処置のことであり、以前のブログにも書きましたが根治療法である「対策」が「個人的な見解」として大事なことだと思っています。
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