母の不倫の話です
それから1〜2年後に母の勤め先の店長が旦那の作った借金を苦に自殺しました
働かずに女遊びばかりしていたらしい
『保険金で借金を完済してください』
なぐり書きのようなメモがお店に残されていた
そして母宛にも
『○○さん、ごめんね』
父が亡くなって近所でパートしていた母にその店長が声かけてくれたのがきっかけでそのお店で働き始めた
店長と母と2人でお店をやっていたのもあり、母にとって店長は姉のような存在だったんじゃないかと思う
旦那の借金について母にも相談していたようで、母は離婚した方がいいって言っていた
でも連帯保証人になっているので、別れても結局は払わなきゃいけない、別れて逃げられたら困るといって別れなかった
母もお金を貸していたらしい
どうにも首が回らなくなって、死を選んでしまったんだと思う
母はたくさんたくさん泣いていた
どうして止められなかったんだろうって気持ちが強かったと思う
泣きながら悔しいと言っていた
私は母を一人にしてはいけないと思って、ずっとそばにいた
けど、泣きながら母は私に
『もう寝なさい』
というので仕方なく寝た
なかなか眠れず、母の元に戻ると誰かと電話している声が聞こえた
きっと彼だろう
そっか、その人がいるから大丈夫か
そう思って寝室に戻った
葬式では店長の旦那は涙一つ流さなかったそうだ
この世の中には血も涙もない輩がいるんだって中学生ながらに思ったのを覚えてる
でもこの歳になって思う
自殺は店長にとって最大の旦那に対しての復讐だったんじゃないかと
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