前触れはあったかもしれない。しかし、それに気づかないのが夫である。夕飯の支度が終わり、みんなで楽しい食卓を囲むはずだった。我が家では、夕食の前にはおもちゃのお片付けの時間がある。しかし、最近手に入れた無数のビーズ達に息子が夢中になり、片付くどころかビーズをあちこちに投げ出す始末である(これにはなかなかイライラする)。妻は何度も息子に語りかけるが、息子は片付けようとしない。ついに妻は、大激怒し、泣きながら息子に怒鳴っていた。誤解がないように伝えると、原因はこれだけではない。父親である私が風邪を引き、息子に移さないように近づかなったため、妻への負担が過剰になりすぎたこと、その他にも、日頃から育児というプレッシャーに真剣に向き合ってきたことによるストレスが爆発したのだと思う。そんな頑張っている妻に気の利いた一言でも言いたかったが、この時、私はただビーズを拾うことしかできなかった。

 

 息子が生まれてから、私の考えや価値観は何度も変わった。しかし、その根底にあるのは、私が存在する意味を息子が私に与えてくれたことである。息子を大切に思う気持ち、それによる責任やプレッシャー、これらが日々頭の中を駆け巡り、時にはそのプレッシャーに落ち潰されそうになる。おそらく、一緒に過ごす時間が長い妻のほうが、その責任やプレッシャーを強く感じていると思う。では、私はあの場でなんと妻に声をかけたら良かっただろうか。本にでも答えが書いてあればいいのに、と思う。

 

 大爆発の日の夜、妻にラインでメッセージを送った。「母親として立派に努めを果たしていること」、「自信を持って息子の母親と言えるくらい頑張っていること」、を妻に伝えた。ただでさえ通りづらい私の声に加えて、風邪でマスクをしているため、いくら言葉で伝えようと思っても口をパクパクしているようにしか見えないだろうと思ったため、メッセージという手段を使った。効果は抜群だった。次の日の朝、妻はすっきりした表情で起きてきた。

 

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思っていることは言葉にしないと伝わらないよ? by

 

 

*監修 妻

この内容はすべて妻の監督のもと、添削及び修正いただき、許可を得た後、投稿していま