(wikipedia)
泉水と春。
英語だとどちらも「スプリング」。
そう言って母は笑った。
たくさんの遺伝子情報と、たくさんの文学作品と、たくさんの偉人が出て来る。
地獄変、走れメロス、山椒魚、バタイユ、ゴダール、ゴッホ、ピカッソ(by春)、ローランド・カーク、ガンジー。
作者の知識の深さと言うか広さに驚く作品でもありました。
この人の作品は、実は初めて読むのですが。。
とても人気のある作者さんみたいですね

すっごくわかる気がする。
私も、この一作で、すっかりファンになってしまいました。
何と言ってもこのお父さんがいい

何度もじーんとさせられました。。
特に最後に春に向かって言うセリフ、
「お前は俺に似て嘘が下手だ」。
この言葉を聞いて主人公(泉水です)は心の中で大喜びする。
父と春との連続性、それは引いては自分と、父と、そして春との連続性であるわけです。
「赤の他人が父親面すんじゃねぇよ」とは春の言葉ですが、それは意外な人物に向かって投げられる。
そして兄は、弟の秘密と苦悩にお守りとして応えてくれます。
複雑な関係を持った家族。
でもそこにはあふれる愛情がある。。
強い父親。
美しい母。
いつも弟に先を越される兄。
その兄をお守りのようにして育つ弟。
複雑な関係を物ともせず、そう、重力から解放されたようにふわりとそれを超えて愛情に支えられる家族。
落書きと放火事件。
一見兄弟とは何の関係もない二つの事件が、それを追うごとに意味をなして来て、兄は弟のやろうとしていることに気付く。。
あたたかさと、人の性の善良さ、そしてひたむきな強さ、そんなものを感じさせてくれる珠玉のサスペンスでした

「本当に深刻な出来事は、陽気に伝えるべきなんだよ」
深くて優しい一言。