あれから家に帰るまでの道のりをユナは全く覚えていない。


気が付いたらもう例のレンガ造りの家まで来ていた。


「…んん~?」


今朝聞いたあの声は誰の声だったんだろうか、


遂に幻聴が聞こえるようになってきたのかと


決めつけて、早く家に帰ろうとしていた。


それに自分とはあまり関わりが無い家の壁やら玄関やらをあまり


ジロジロと見るのは凄く失礼だと思ったからだ


踵をかえし、家へと急ぐ


どうせ親が帰ってくるまでの


家事をやるのはユナなのだから。


玄関のドアを開けてスクールバッグは放り投げる。


いつもの流れ、そのまま脱衣所に向かい 洗濯物を確認する


今日は干すものが無い。それだけでユナはさっきまで


ケチャップと言われたこと、口からの血、鼻の骨が折れているかもしれないと言う


思考を止めて一人にやけていた。