バカ息子 ~偶然に感謝するぜ~
「人間だからこそ臆病になるんだッ」 太一はそう言ったけどね、
でも・・・ それでもその一方でこうも言うんだ
「だがな 『こわいから逃げる』 そんなのはただの ガキだ!」 とね。
太一が、大門にそんな事を言っていると、そこにさっきのあの 大門の事をきかれたわけでもないのにペチャクチャと喋っていた二人組がまたやって来たんだけどさ、
さっきとは様子が違っていて、その二人組と一緒にハゲで頭も悪そうな・・・ でも力だけは有り余ってそうな巨漢が一緒にやってきてさ。
二人組が言うには、そのハゲは 『力士くずれ』 らしいけど、コイツをおだてて大門を叩きのめそうとしていたらしいんだ。
で、そのハゲも 「俺も格闘家としてデビューしたいから、実力を試させてくれよ」 なんて図に乗ってね、
あげくに 「プロレスなんて八百長だし、ホントは大した事ねーんだろ」 って言ってさ。
大門がキレそうになったところを、太一は制止して
「本当にガキになるつもりか?」
一言そういうと、そのハゲの前に立ちはだかってさ、ハゲからみればヒョロヒョロにしか見えない太一を見て、ハゲの顔はとたんに茹でダコみたいになったんだ。
それで、ハゲは思い切り張り手を食らわせにきたんだけど、逆に顔にめり込むほどの威力の太一のカウンターを食らって、目を剥いてその場に崩れ落ちたよ。
それを見て、二人組はビビって逃げていってさ。
そうして、もう一度現役への復帰を決意した大門は、お礼に復帰戦のチケットを送ろうと、太一の名前や連絡先を聞こうとしたんだけど、太一は
「自分で買うさ」 と言ってその申し出を断るんだ。
それでも、大門は本当に心底から楽しそうに
「本当にアンタは不思議で面白い男だよ。
『偶然』 に感謝するぜ!」 と、太一の身体を叩きながら別れを惜しんでいたんだけどさ。
それからしばらく後、大門の復帰戦が決まった後のある日の事。
どこかの町の、小さな食堂の電話が鳴ったんだ。
~つづく~
でも・・・ それでもその一方でこうも言うんだ
「だがな 『こわいから逃げる』 そんなのはただの ガキだ!」 とね。
太一が、大門にそんな事を言っていると、そこにさっきのあの 大門の事をきかれたわけでもないのにペチャクチャと喋っていた二人組がまたやって来たんだけどさ、
さっきとは様子が違っていて、その二人組と一緒にハゲで頭も悪そうな・・・ でも力だけは有り余ってそうな巨漢が一緒にやってきてさ。
二人組が言うには、そのハゲは 『力士くずれ』 らしいけど、コイツをおだてて大門を叩きのめそうとしていたらしいんだ。
で、そのハゲも 「俺も格闘家としてデビューしたいから、実力を試させてくれよ」 なんて図に乗ってね、
あげくに 「プロレスなんて八百長だし、ホントは大した事ねーんだろ」 って言ってさ。
大門がキレそうになったところを、太一は制止して
「本当にガキになるつもりか?」
一言そういうと、そのハゲの前に立ちはだかってさ、ハゲからみればヒョロヒョロにしか見えない太一を見て、ハゲの顔はとたんに茹でダコみたいになったんだ。
それで、ハゲは思い切り張り手を食らわせにきたんだけど、逆に顔にめり込むほどの威力の太一のカウンターを食らって、目を剥いてその場に崩れ落ちたよ。
それを見て、二人組はビビって逃げていってさ。
そうして、もう一度現役への復帰を決意した大門は、お礼に復帰戦のチケットを送ろうと、太一の名前や連絡先を聞こうとしたんだけど、太一は
「自分で買うさ」 と言ってその申し出を断るんだ。
それでも、大門は本当に心底から楽しそうに
「本当にアンタは不思議で面白い男だよ。
『偶然』 に感謝するぜ!」 と、太一の身体を叩きながら別れを惜しんでいたんだけどさ。
それからしばらく後、大門の復帰戦が決まった後のある日の事。
どこかの町の、小さな食堂の電話が鳴ったんだ。
~つづく~