バカ息子 ~負け犬の言い訳~ | TWO ALONE ~二つの孤独~ 

バカ息子 ~負け犬の言い訳~

そこで太一は静かに聞き返すんだ 「なぜ 俺にそんな話しをする?」 とね。

大門は、ただあっさりと 「誰かに聞いてもらいたくなっただけだ」 そう言ってね、

太一はそんな大門を挑発するように

「ふうん。

俺はまた、誰かに止めてほしいのかと思ったんだがな。」 そう言ってさ、

その言葉に大門が 「じゃあ、アンタは止めるのかい?」 って言うと


「止めない!

男の決断に口を出せるのは、妻 と 家族と 母親だけだ」

どこか、突き放すように淡々と言う太一に、大門は笑いながら。

「アンタは不思議で面白い男だな。

だが、あいにく俺にはガキはいないし女房にも逃げられちまってね。

オフクロもいい歳だ、ちょうどいい頃合いだったんだよ」

まるで自分に言い聞かせるようにつぶやく大門に、今度は明らかに挑発的な態度で太一がこう言うんだ。

「言い訳だろ、負け犬の言い訳」 と。



~つづく~