恋敵 ~情熱的なプロポーズ~
そんな彼女の様子を見て、主人公は言ったよ。
「人間って奴ァ 気づかないうちに同じ事を繰り返すっていうが
やっぱりそうかね
このままじゃあ明信さんの二の舞じゃございませんか」 主人公がそう言うと、
鞠絵さんは辞表をあらためて見直してこう言うんだ
「ずいぶんとためらったのね なのにそんな気持ちも知らずに私は… 」
そう言った彼女は一度目を閉じると、その辞表を破って決然とした表情で顔をあげたんだ。
そして、場面は切り替わって数日後の熊本。
そこには、いくぶんか年代を感じさせる民家があって、その表札には 『橋爪』 と書かれていてさ、中からはこんな会話が聞こえてきたよ。
「いま戻ったよ 兄貴」
「おう周平 まぁあがらんね」
で、その家の中では橋爪さんとそのお兄さんと思しき男性が話しをしててさ。
「温泉はどうだった?」 とかそんな話しをしてたけどさ、橋爪さんは
「で兄貴 例の件だけど」 って、お兄さんは 「え?なんの話しね?」 と聞き返して。
それで橋爪さんは
「何言ってんだよ 兄貴が貸してくれるっていった居酒屋用の土地のことさ
さっそくだけど見てみたいんだけど」
そう言うと、お兄さんは
「ああ その話ね
悪かばってん その話は無したい!」
驚く橋爪さんに
「あの土地をどうしても売って欲しいって電話をかけてきた人がいて
白紙の小切手を送ってきて好きな額を書き込んでいいって言ったもんだから
ついつい目がくらんでしもうてね
がははは…」
なんて言って、これにはさすがに温厚な橋爪さんも興奮して
「笑いごとじゃないよ ひどいじゃないか!
一体 そいつはどこのどいつなんだよ!!」
って言ってね。
お兄さんは平然と 「もうすぐ本人がくるけん 文句ならそっちに言ってくれんね」 そう言って
そこにちょうどクラクションの音が聞こえてきてね 「おっ うわさをすればというヤツたい」 って。
珍しく怒ってる橋爪さんは、ずいぶん荒々しい足取りで玄関を開けた時…
そこに止まっている車に驚いたんだ。
「こ… この Zは!!」 そう言った橋爪さんの前に車からおりてきたのは鞠絵さんと主人公で、
突然の二人の来訪に 「ど どうしてこんなところへ」 って橋爪さんが驚いていると。
主人公は 「どうもこうもあるかい!鞠絵さんが突然いくって言いだしてよ」
「飛行機も新幹線もとれないとなりゃ車っきゃねえじゃろ おかげでコッチは徹夜じゃあ」
ってアクビしながら答えてさ。
「でも、東京熊本間を夜通し走っても平気な仕上がりになった」 なんていう主人公に
状況が全然理解出来ない橋爪さんは
「いや そういう事じゃなくて… 何の為にここまで… 」
そう言いかけたんだけどさ、その言葉を遮るように鞠絵さんが言うんだ。
「あなたが借りようとしていた土地を買い取ったのは 私だという事を伝えるためよ!」
その言葉に 「ええッ しゃ… 社長だったんですか!? ひ… ひどいじゃないですか」 橋爪さんはそう言ったけどさ。
でも、そんな彼に鞠絵さんはこう言ったよ。
「あなたに居酒屋なんてやらせない どこにも行かせやしない
一生 わたしのそばにいて欲しいの」
その言葉を聞いた橋爪さんは、一瞬キョトンとしたんだけどね。
でもそんな二人を、お兄さんは目を細めながら見守るようにいうんだ。
「おほ~~~なんとも情熱的なプロポーズたい 激しかね―――――ツ」
と。
~つづく~
「人間って奴ァ 気づかないうちに同じ事を繰り返すっていうが
やっぱりそうかね
このままじゃあ明信さんの二の舞じゃございませんか」 主人公がそう言うと、
鞠絵さんは辞表をあらためて見直してこう言うんだ
「ずいぶんとためらったのね なのにそんな気持ちも知らずに私は… 」
そう言った彼女は一度目を閉じると、その辞表を破って決然とした表情で顔をあげたんだ。
そして、場面は切り替わって数日後の熊本。
そこには、いくぶんか年代を感じさせる民家があって、その表札には 『橋爪』 と書かれていてさ、中からはこんな会話が聞こえてきたよ。
「いま戻ったよ 兄貴」
「おう周平 まぁあがらんね」
で、その家の中では橋爪さんとそのお兄さんと思しき男性が話しをしててさ。
「温泉はどうだった?」 とかそんな話しをしてたけどさ、橋爪さんは
「で兄貴 例の件だけど」 って、お兄さんは 「え?なんの話しね?」 と聞き返して。
それで橋爪さんは
「何言ってんだよ 兄貴が貸してくれるっていった居酒屋用の土地のことさ
さっそくだけど見てみたいんだけど」
そう言うと、お兄さんは
「ああ その話ね
悪かばってん その話は無したい!」
驚く橋爪さんに
「あの土地をどうしても売って欲しいって電話をかけてきた人がいて
白紙の小切手を送ってきて好きな額を書き込んでいいって言ったもんだから
ついつい目がくらんでしもうてね
がははは…」
なんて言って、これにはさすがに温厚な橋爪さんも興奮して
「笑いごとじゃないよ ひどいじゃないか!
一体 そいつはどこのどいつなんだよ!!」
って言ってね。
お兄さんは平然と 「もうすぐ本人がくるけん 文句ならそっちに言ってくれんね」 そう言って
そこにちょうどクラクションの音が聞こえてきてね 「おっ うわさをすればというヤツたい」 って。
珍しく怒ってる橋爪さんは、ずいぶん荒々しい足取りで玄関を開けた時…
そこに止まっている車に驚いたんだ。
「こ… この Zは!!」 そう言った橋爪さんの前に車からおりてきたのは鞠絵さんと主人公で、
突然の二人の来訪に 「ど どうしてこんなところへ」 って橋爪さんが驚いていると。
主人公は 「どうもこうもあるかい!鞠絵さんが突然いくって言いだしてよ」
「飛行機も新幹線もとれないとなりゃ車っきゃねえじゃろ おかげでコッチは徹夜じゃあ」
ってアクビしながら答えてさ。
「でも、東京熊本間を夜通し走っても平気な仕上がりになった」 なんていう主人公に
状況が全然理解出来ない橋爪さんは
「いや そういう事じゃなくて… 何の為にここまで… 」
そう言いかけたんだけどさ、その言葉を遮るように鞠絵さんが言うんだ。
「あなたが借りようとしていた土地を買い取ったのは 私だという事を伝えるためよ!」
その言葉に 「ええッ しゃ… 社長だったんですか!? ひ… ひどいじゃないですか」 橋爪さんはそう言ったけどさ。
でも、そんな彼に鞠絵さんはこう言ったよ。
「あなたに居酒屋なんてやらせない どこにも行かせやしない
一生 わたしのそばにいて欲しいの」
その言葉を聞いた橋爪さんは、一瞬キョトンとしたんだけどね。
でもそんな二人を、お兄さんは目を細めながら見守るようにいうんだ。
「おほ~~~なんとも情熱的なプロポーズたい 激しかね―――――ツ」
と。
~つづく~