恋敵 ~憎らしいけど… 捨てられなかった物~
彼のその 「まさに最高の貴婦人なんだ」 そんな言葉を聞いた鞠絵さんは、思わずふくれっ面をしてそっぽを向くと
「フンだ!どうせわたしはヒヨッ子のハナタレ娘ですよ」 って言ってね、その言葉に彼は苦笑いしながら頭をかいていたんだ。
そんな彼のプロ意識を垣間見て、で彼女はそれを自分の仕事のスタイルにも取り入れたって事を話してさ…
「私は明信さんのポリシーをまねた、そのおかげでスタイリストだった私は
徹底的にモデルと向き合い彼女たちを輝かせることが出来た
そしてスーパーモデルに育った彼女たちが 私のデザインした服を着てくれたことで
私のブランド ”ETANITY” は世に知られる事になったのです。」
「あ ”ETANITY” って 『永遠』…
ブランド名はその明信さんの言葉が由来なんですね」 そんなおかみさんの言葉に
鞠絵さんは小さくうなずきながら 「 …ええ」と答えてね
「明信さんの生き方に共感し
学び 成長した
鞠絵さん…
あんたも彼の事が心底好きだったんだね… 」
主人公もそう言うと、彼女はこう答えるんだ
「私は彼を尊敬していました
そしてそれが
恋愛感情に変わっていたのを
彼が亡くなるまで気づきませんでした」
解体屋のオヤジさんも、おかみさんもやるせない気持ちになっている中…
相変わらず、一人だけ空気の読めていない主人公の孫が
「でもさァ
好きな男の車をなんで野ざらしにしてんのさ
ね―
どういう事なんスか
おばさ~~~ん」
とか言って、主人公は頭から水をぶっかけながら 「少しは酔いがさめたか?」 と言ったんだけどさ。
でも、鞠絵さんは自分の思いをはなしてくれたんだ
「あの人は本当にZを愛していました 私にとっては恋敵みたいなもんかな
そのあげくあの人まで連れていっちゃって 私は心底あの車を恨みました
だから大切にするには憎らしい
だけど あの人との大切な思い出だから捨てるには忍びなかったんです」
その言葉に、やっぱり ”思い出の車” を主人公にレストアしてもらった事がご縁になった、その小料理屋のおかみさんも
「わかるわその気持ち
辛かったでしょうねぇ… 」
と言ってさ、そんな話しを聞いて一度その言葉をかみしめるように目を閉じた主人公はこう言うんだ。
「良かったじゃないか、捨てなくて」
「え」
主人公の言葉に顔をあげた鞠絵さんに彼はこう言ったよ
「『まだ走れる』 『もっと走りたい』 あっしには確かにそう聞こえてたんだ
あれはZではなく
明信さんの声…
だったんじゃなぁ…」
と。
~つづく~
「フンだ!どうせわたしはヒヨッ子のハナタレ娘ですよ」 って言ってね、その言葉に彼は苦笑いしながら頭をかいていたんだ。
そんな彼のプロ意識を垣間見て、で彼女はそれを自分の仕事のスタイルにも取り入れたって事を話してさ…
「私は明信さんのポリシーをまねた、そのおかげでスタイリストだった私は
徹底的にモデルと向き合い彼女たちを輝かせることが出来た
そしてスーパーモデルに育った彼女たちが 私のデザインした服を着てくれたことで
私のブランド ”ETANITY” は世に知られる事になったのです。」
「あ ”ETANITY” って 『永遠』…
ブランド名はその明信さんの言葉が由来なんですね」 そんなおかみさんの言葉に
鞠絵さんは小さくうなずきながら 「 …ええ」と答えてね
「明信さんの生き方に共感し
学び 成長した
鞠絵さん…
あんたも彼の事が心底好きだったんだね… 」
主人公もそう言うと、彼女はこう答えるんだ
「私は彼を尊敬していました
そしてそれが
恋愛感情に変わっていたのを
彼が亡くなるまで気づきませんでした」
解体屋のオヤジさんも、おかみさんもやるせない気持ちになっている中…
相変わらず、一人だけ空気の読めていない主人公の孫が
「でもさァ
好きな男の車をなんで野ざらしにしてんのさ
ね―
どういう事なんスか
おばさ~~~ん」
とか言って、主人公は頭から水をぶっかけながら 「少しは酔いがさめたか?」 と言ったんだけどさ。
でも、鞠絵さんは自分の思いをはなしてくれたんだ
「あの人は本当にZを愛していました 私にとっては恋敵みたいなもんかな
そのあげくあの人まで連れていっちゃって 私は心底あの車を恨みました
だから大切にするには憎らしい
だけど あの人との大切な思い出だから捨てるには忍びなかったんです」
その言葉に、やっぱり ”思い出の車” を主人公にレストアしてもらった事がご縁になった、その小料理屋のおかみさんも
「わかるわその気持ち
辛かったでしょうねぇ… 」
と言ってさ、そんな話しを聞いて一度その言葉をかみしめるように目を閉じた主人公はこう言うんだ。
「良かったじゃないか、捨てなくて」
「え」
主人公の言葉に顔をあげた鞠絵さんに彼はこう言ったよ
「『まだ走れる』 『もっと走りたい』 あっしには確かにそう聞こえてたんだ
あれはZではなく
明信さんの声…
だったんじゃなぁ…」
と。
~つづく~