感謝の気持ち | TWO ALONE ~二つの孤独~ 

感謝の気持ち

デートは男がおごるもの?割り勘?持っているほうが払う? ブログネタ:デートは男がおごるもの?割り勘?持っているほうが払う? 参加中
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このネタを見て、二つ書きたい話があったから一つは向こうに書いたよ。

そんで、こっちはかなりのご無沙汰ですね m(_ _ )m

今回、書きたいのは 『クリマスイブ』 の話しなんでちょっと(かなり)季節外れだけど、

まあつきあってくれる方がいると幸いです。

そのお話は、あるレストランで楽しそうに食事をしているカップルの会話から始まるんだ、

彼女さんは美味しい食事にとても上機嫌だったけど、じつはある事が気になっていたんだ。

それというのもね、『クリスマスイブ』 のその日はレストランにとっては

いわゆる ”かきいれ時” ってヤツのはずで、事実そのお店もとても賑わっていたのに…

不思議なことにその店の 『特等席』 だけが、予約席になっていて肝心の予約客が来ないんだ。

気になった彼女は、どんなお客さんがその席に座るかみてみたくなって、彼氏さんにも頼んで見届ける事にしたよ。

でも、待てど暮らせど予約客はやって来なくてさ、それでそのレストランのオーナーにたずねてみたんだ。

するとね、オーナーはこんな話をしてくれたよ。


『私は、この店の二代目のオーナーなので詳しいことは分からないんですが』


そう前置きすると、ある年のクリスマスイブにこのレストランにやって来た学生のカップルの話しをしてくれたんだ。


『そのカップルは、そんなに裕福な生活をしてわけではなかったようなんですが。

 それでも男性は彼女を喜ばせたくて、一生懸命にお金をためてこのレストランに来たそうです、

 でも、この店の料金が彼が思っていた以上の値段だったようで、注文をとりに来たウェイターに

 彼は 「水をください」 そう言ったそうです』


それを聞いた周りの人間からは失笑がもれて、男性はとてもみじめな気分になったみたいでね。

彼女は、そんな男性をやさしくいたわったけど、でもやっぱり男性はいたたまれない気持ちになって、その時だったよ。

先代のオーナーが、そんなお互いを思いやる二人の姿を見てとても気に入ってくれたらしくてね、

そしてその ”特等席” に二人を案内してくれて 「これは、私からお二人への気持ちです」 そう

言ってお金をとらずにごちそうしてくれたそうなんだ。

オーナーは、さらにその後の事を説明してくれてさ…


『その後、二人は結婚されて毎年のクリスマスイブにはあの席を予約してくれたそうです。

 オーナーも、その二人のためにクリスマスイブだけはあの席を空けて待っていたそうですが、

 どうやら奥様が亡くなられたそうで、それからはご主人も食事にみえられることが事がなくなってし

 まったそうなんです。

 そうして、先代のオーナーから私が受け継ぐ事になったのですが、やはりその先代のオーナーも
 
 亡くなられてしまったのです。

 ですが、先代のオーナーの遺言で 

「クリスマスイブには、”あの席” は空けておいて欲しい」 と言われましたもので、

 私はその遺志をついであの席を ”予約席” にさせていただいております』


そうオーナーが説明するとね、そのカップルの彼女さんは思わず涙ぐんでさ…

それを見たオーナーが言うんだよね。


『よかったら、あの席に座ってもらえますか?』


って、驚いた彼女が 「そんな大事な思い出があるとわかったら座れません」 そう言ったんだけど、

でもオーナーは 

「私の話を最後まで聞いてくれたお礼です、それに先代のオーナーやそのご夫婦も、

 きっとあなた達を気に入ってくれると思います」

そう言って、その二人を特等席に案内してくれたよ。

そうして、とても喜んでいる彼女に彼氏さんは環輪をだして言ったよ


『結婚しよう』


ってね。

彼女はとてもビックリしたけど、でも本当にうれしそうに即OKしたんだ。

そうして、食事をおえて幸せそうな二人はレストランを後にする… で、メデタシメデタシ




と、思ったらね。

帰り際に、彼女の肩を抱いている彼氏さんがオーナーの方を一瞬だけ振り向くんだ。

そして 「うまくいったね」 って感じで目配せしてさ。

えッ どういうこと?  とか思っているとさ。

そのお客さんが帰ったあとに従業員が出てきてさ、言うんだよね。


『いやー! 今年も上手くいきましたね』

『俺! オーナーの話を毎年聞いてて、作り話だってわかってても泣きそうになりますもん』


作りばなしーー!!!  Σ(=°ω°=;ノ)ノ

って、びっくりしてるとさ 「結婚したい男」 のために

彼女の気持ちを盛り上げるための ”演出” だって、種明かしするんだよね。


 …でもさ、その日の営業が終わって従業員 全員で片づけをするなか、

なぜかあの ”予約席” だけは、オーナーが一人で片づけていたよ。

そしてね、その物語をみている人達と会話をするかのようにオーナーは心の中でつぶいたよ。


『ほんとうはね、あの話は作り話じゃないんですよ』


『 …… 』


『え。 なんでそんな事がわかるのかですって?

 ふふふ、まだわかりませんか? あの、お水を注文した学生。

 あれは私なんですよ』


『 …… 』


『なぜ 従業員に本当の事を教えないのかですって?』


そうしてさ 一呼吸おくとオーナーはまた、心の中でつぶやくんだ。


『だって…   テレくさいじゃないですか』


と。




大事なのは、『おごり』 とか 『割り勘』 とかじゃなくて 

「おいしかったね! たのしかったね! ありがとうね!」 そんな気持ちなんじゃないのかな?