本日は、大正区医師会主催の講演会

「認知症にかかわるお薬について」 に参加してきました。


いつもお世話になっている
ほうもん診療 鈴木クリニックの鈴木先生がファシリテーターを務められ、
済生会泉尾病院 精神科の香月先生が講師としてお話しくださいました。

正直に言うと、かなり難易度の高い講演会でした。
それでも、とても多くの学びがあり、参加して本当に良かったと感じています。

特に印象に残ったのが、非薬物療法についてのお話です。

「治療は決して薬だけではない。
家族や介護職員の関わりも重要である。」


この言葉に、強く心を打たれました。

香月先生は精神科医でもあり、認知症のお話とあわせて、統合失調症についても触れておられました。

実は、私の父は統合失調症を患い、
最終的に自ら命を絶っています。

父の死をきっかけに、私は介護の世界に飛び込みました。
今振り返ると、父は人との関わりがなくなった時に、自死という選択をしていました。

その経験から、統合失調症に限らず、
認知症をはじめ介護が必要な方にとって、

「人との関わり」がどれほど大切かを、日々強く感じています。



講演会の最後のQ&Aで、私は香月先生に質問をしました。

「非薬物療法について、
お薬より“人の力”が勝る可能性はありますか?」


その問いに対して、香月先生はこう答えてくださいました。

「医学では説明がつかないことは、確かにあります。
人との関わりが、薬の効果に勝ることはあると思います。」


その言葉を聞いた瞬間、
自分がこれまでやってきた介護、そしてこれから目指したい介護は、間違っていなかったのかもしれないと感じました。


私たちは、薬を処方することはできません。
でも、寄り添うこと、関わること、信じることはできます。

人の気持ちに触れ、安心をつくり、「あなたは一人じゃない」と伝えること。
それは、人間にしかできない力です。

これからも私たちは、
人の力を信じる介護を、大切にしていきたいと思います。