今夏、ツーオンは東京都北区王子へ転居したので
新しい地元 「王子
」「北区」 を散策レポートで紹介します。

旧キリンビール王子工場(麒麟麦酒(株)東京工場)
 


---王子駅レポート---

●交通アクセス
王子駅は、京浜東北線と東京メトロそして東京で唯一の都電荒川線が通っている
北区の中央に位置していて板橋区・足立区・荒川区・豊島区・文京区に隣接し
同じ北区の駅では赤羽駅一番街商店街がよくTVに紹介される。
車は練馬ナンバー

●名所など
  名所 飛鳥山 桜が自慢
     ツーオンのブログ 飛鳥山 
  落語 「王子の狐」
  有名人  
深田恭子さんが出身?
●企業  コーセー化粧品  なとり(珍味)

●ニュース 池袋の暴走事故で逮捕された医師が王子3丁目

●歴史
 江戸時代初期までは飛鳥山を中心に自然が残り起伏に富んだ土地は、
 幕府の鷹場として市街化が抑制された。

 幕府の所轄地は、明治以降は国有地として、そして広大な土地は、
 現在の赤羽台の国立スポーツ科学センターや味の素ナショナルトレーニングセンター 滝野川の造幣局、防衛省自衛隊駐屯地などに姿を変えていった。

●明治時代の煉瓦建築
  明治時代以降国有の建築といえば煉瓦が多いが、北区・板橋区には国有地が多かったため、多くの煉瓦建築が残っている。 赤レンガをキーワードにして
自転車で散策をした。

 


北区中央図書館

1919年建築の旧第一陸軍造兵廠を2008年に図書館にリニューアルした
旧陸軍時代は「275号棟」と呼ばれ、弾丸等の製造を担っていたが、
北区が防衛省の土地の一部を譲り受け「275号棟」も区の所有となり、鉄筋コンクリート造に改築しながらも歴史的な煉瓦建築を残し、区民の施設に生まれ変わった。

かっては多くの工員がこの「275号棟」の建物内で兵器を製造していたが、
同じ場所で静かに書物が読めることには考え深いものがある。

この中央図書館の煉瓦を観察すると下記の 「チ」 刻印がある


中央図書館の煉瓦

隅田川沿いに山本煉瓦工場・鈴木煉瓦工場・広岡煉瓦工場などいくつかの煉瓦工場が盛業していた。 
大震災後に急速に衰退したようだ。
「チ」 の刻印は、北区堀船町にあった千葉煉瓦工場で作られた煉瓦の刻印だ。
レンガは重いので、建築場所から近いレンガ工場を利用したようだ。

「堀船」という町名は、旧大字の 「堀之内」と「船方」の二文字をとって、
現在の堀船1丁目から4丁目に改変された。
読み方は「ホリフネ」だが、町内の堀船中学校は「ホリフナ」と読む

      -荒川遊園地-

荒川遊園地

王子駅から都電で数分の荒川遊園地は、隅田川沿いにあり、石神仲衛門から煉瓦事業を譲り受け、煉瓦を作っていた広岡勘兵衛が船方の煉瓦工場を廃して、跡地に大正11年に開園した。
戦時中に遊園地の営業が困難になり、国策で高射砲陣地が設置されるなどして戦後は荒廃地となった。

昭和25年に 「区立遊園地」 として復活し、昭和56年のリニューアルなどを経て、現在は
休日の観覧車は90分待ちなどと人気だ。

遊園地の塀とは別に周辺には煉瓦工場だった頃の名残として煉瓦の塀が残っている。

荒川遊園地 周辺の壁

旧煉瓦工場の敷地だったのか、それとも戦前の初期の遊園地が現在の遊園地より広かったのか、遊園地の敷地を遙かに大きく囲む様に当時の工場の境界塀と思われる古い煉瓦塀が残っている。

西尾久6丁目から堀船4丁目まで断続的に煉瓦塀が有り、複数の煉瓦工場が並んでいたのかあまりに広大な敷地で当時の煉瓦工場が零細企業ではないことがうかがいしれる。

      -キリンビール王子工場-

読売新聞東京北工場


この荒川遊園地に隣接した隅田川沿いに読売新聞と日刊スポーツの工場があるが、昭和の頃ここはキリンビールの王子工場だった
「ビール開き」というイベントではとジュースが無料でもらえたことを記憶している。
東京工場が正式名称だが、ツーオンの周辺ではキリンビールの王子工場と呼んでいた。

もともとは富国産業のひとつとして下野紡績王子分工場があった地だが、東洋紡績に吸収され、戦時中は旧陸軍の尾久工場として兵器を生産したが戦後キリンビールの麒麟麦酒(株)東京工場として1998年までビールを生産した。
跡地は、新聞工場とマンションへ変貌した。
工場の前の二車線の道路は 都内で唯一のキリンビールの生産工場だっので「キリン通り」といわれていた。

煉瓦を探して、再度十条台へ自転車を走らせる・・・



十条自衛隊駐屯地

十条台の防衛省の敷地は広大だが、旧日本陸軍の時代は更に広大で、周辺の中央公園や学校・公共施設なども敷地として占有し、一帯に君臨していた。
この正門ゲートも古い煉瓦が使用されている。



隊員が敷地内を賑やかに行き交っている朝霞駐屯地とは違い、十条自衛隊駐屯地の正門付近は、大勢の人が出入りしているが、広大な敷地の通路に人気はほとんどみえない。

防衛省敷地内

広大な敷地が中に入っていく自衛隊員や関係職員をゆったりとのみ込んでいくように感じた。




中央公園文化センター

このクラシックな建物も白く塗ってあるが赤煉瓦の建築で、旧陸軍の兵器工場として昭和5年に建てられて、現在は文化センターになっている。
落ち着いた雰囲気を持つ重厚な建物


JR埼京線と十条富士見中学校の境界塀

十条駅の近くの十条富士見中学校の塀も旧陸軍の敷地だった証として煉瓦塀が残っている。
隣接した東京成徳短大や障害者総合スポーツセンターなどの広大な敷地も元国有地だ。

JR埼京線を隔て、板橋区加賀の東京家政大の広大な敷地も旧東京第二陸軍造兵廠(ぞうへいしょう)跡地に1945年に移転してきたもので、校内の旧陸軍時代の煉瓦建築の三棟は板橋区の有形文化財に登録されている。



旧大蔵省醸造試験所の赤レンガ酒造工場

滝野川の醸造試験所 当時の大蔵省が創設した研究所は1902年の建築で通称は「赤レンガ酒造工場」 
敷地の一部が公園に整備されていて、春は桜が美しい名所
予約をすれば見学ができる。

北区や板橋区には赤レンガの建物がたくさん残っているのがわかった。
古い赤レンガをみつけたら刻印を調べてみるのも一興だ。

  以上これからずっと長く住むつもりで転居した
                東京都北区王子周辺のレポートでした。

    ありがとうございます
             ツーオン