クラゲ歩きの朝
十一月なのに
朝の空気が もう冷たい
ニット帽とマフラー
そのぬくもりと 少しの勇気を重ねて
外に出る
もう 頑張って歩けないから
ただ 呼吸をするために
力を抜いて ゆらゆらと——
無理なら 今すぐにでも引き返せばいい
そんな優しさと共に
昔 名付けた「クラゲ歩き」

目を閉じて
風にまかせながら
わたしは静かに 漂う
時折 エンジン音が
静けさをかき消すけど
それもまた この世界の一部
遠くで泣く鳥の声
用水路を流れる水の音
ああ そうだった
安心はいつも こんなふうに
わたしのまわりにあったのだ
誰かがくれるものじゃなく
わたしが受け取るものだったのだ、と
今 少しだけ気分が良いから
思い出せたのかもしれない

風が通り抜けると
頬がひんやり
目覚まし時計
——生きている——
と思い出す
“このあとの体調は さておき”
今 この静けさを受け取れた
その事実だけを 抱きしめて
今日は それだけでいい
それだけで——

※私two-miracleの綴る詩は
わたしの心の内や創作の中に
同時に存在する、いくつもの
愛のカタチを描いています。
誰かを裏切ったり
否定する意図はなく
ただ、一人の人間の記憶として
心を込めて紡いだものです。
この詩に触れた方が
それぞれの心にある愛の記憶と
静かに響き合えますように。
