初恋の恋人との不倫生活

初恋の恋人との不倫生活

お互いが初恋の相手。中学高校と4年付き合った元恋人と、5年前、38歳の時に再会し私は離婚。二人でいる時は昔と何も変わらない幸せの時間。ただ違うのは、彼に妻子がいることだけ・・・

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先日、お互い午後の休暇を取って、

某美術館に行って来た。


秋晴れの雲一つない空、

金色の銀杏と赤みを帯びた大木の桜の葉。



昔聞いたオフコースの曲じゃないけど、

秋の東京はとても素敵な街だ。


その日作品を見た画家は、ある理由があり、

私たちにとって特別な思い入れのある存在。


普段は外国の美術館に所蔵されているため、

わざわざそこに出向いてでも、いつか一緒に見たいねと話したこともある。


高校生の時から一緒に美術館に行ったことは何度かあるけど、

こんなにウキウキしながら絵を鑑賞したのは初めて。


「全部見終わった後に、どの作品が一番好きだったかお互い教え合おうよ」

と彼がしょっぱなに宣言し、

1点1点近くから遠くから、と丁寧に見て、

あれやこれやとひそひそ声で素人談義を繰り広げつつ、2時間たっぷり画家の持つ世界観を

堪能した。


いい年した二人がゆっくり美術館ラブラブデートを楽しめたのにはもう一つ理由がある。


周りの観客の大多数がカップルであったこと。


しかも、60代70代と思しき品の良い熟年カップルが、

我々に負けず劣らずのラブラブなムードを漂わせていたことだ。


その日は比較的暖かかったこともあり、

私もコートを着ず、ワンピースの上からミンクのストールを羽織っていたが、

男性はそろってジャケット着用、女性も皆さんドレッシーで、

まるでドレスコードでもあるかのよう。


男性が女性をエスコートして、人ごみの中から自身のパートナーを守り、

少し休もうかと気遣って傍らのソファーに導く。


女性はパートナーの優しさに笑顔を見せ、

男性は女性の愛らしさに目を細める。


そんな光景がもういたるところに見られたのだ。


男性は紳士であること。

女性はその男性を強く愛していること。


そんな条件が入場口に掲げられていたのでは?と思わせるほど、

選ばれし者のみが集う優雅な空間だった。


100点を超える作品を見終わった後、

私たちは互いにプレゼントし合おうと、

それぞれ気に入った作品何点かの絵葉書を選んだ。


夕刻、美術館を後にすると、

先ほど見た画家の作品の空とそっくりな綺麗な黄昏。


こんな綺麗な空を見るたびに今日のことを思い出すね。



その後、私たちはカフェに立ち寄り、

次に入ったお寿司屋さんで、ゆっくりと今後のことを語り合い、

愛情を確認しあった。


彼は単身で海外に赴任し、彼の人生至上最も大きいであろう挑戦をする。


会えない寂しさはあるが、互いに覚悟はできている。

私たちの愛情は変わらない。


絆の深まるいい一日だった。