私が仕事に関する連載を始めようと思ったきっかけは、依然として乾ききっている私のその毎日でのふとした瞬間だった。これまで作り上げてきた自分が、音を立てて崩れ去っていく。そしてそれは必ずしも自分が望む方向ではない。崩れていくままに進み、新しい自分を発見することが成長なのか、これまでの自分を信じて模索し続けることが正しいのか・・・今の私にはわからない。


社会人になって、まだ一年も経過していないにも関わらず、私は早くもこの社会で、会社という組織の中で息をしていくことに強い不快感を覚えてきている。私の社会人は、ずっと入りたかった日系大手ITメーカーへの就職という、一見華々しい形でのスタートとなった。研修では多くの刺激的な仲間に恵まれ、人事の先輩社員からは高い評価を受け、入社前から知っていた尊敬できる先輩の主催する勉強会に参加し認められ、これからその会社で働けるということが至福の喜びであるかのような感さえあった。

しかし、現実は私にどこまでも厳しかった。自分のやりたいことができる、と思ってYESと答えをだしたはずの配属先は、事前に聞き及んでいたものとは程遠い世界であった。高い理想と、自分に染み付いて剥がれ落ちることを知らないプライドから、私は追われるように会社を去った。

あれだけ入りたかった会社。借金をしてまでアメリカに行って、就職試験を受けたあの会社。内定を貰えた時、うれしくて、言葉にならない言葉を、会社の出口で大好きな女の子の携帯に必死に投げつけていた。あぁ、この恋焦がれたこの会社に、私は入社することができる。それが嬉しくてたまらなかった。しかしその想いは消えていないとはいえ、その会社に私の居場所はなくなっていた。

良く考えてみると、それは私自身が心を閉ざし、私自身が何かを見誤り、大きなチャンスを逃したことの結果なのかもしれない。複雑な思いを胸に、新しい会社へと活躍の場を求めることになる。


この会社で過ごして感じること。それをストレートに語ることが、この連載のテーマである。


これを知られることはあまりに格好悪い。私がこの程度の人間なのだと、私が”また”理由を作ってどこかに逃げ出そうとしているということを、この連載は表すかもしれない。私のどうしようもできない想いを、このブログという不思議な世界に投げかけることにより、誰に振り向かれなくても良い。自分の思いを整理する場所が欲しいんだ。