本日、日本の政治史上に残るであろう臨時国会が開会された。先立って行われたAPECサミットでの、テロ対策特別措置法の延長に対して、「職を賭して」という安部首相の発言でどこか白けてしまった感さえある。しかし、いづれにせよ国会論戦はスタートした。
今回の国会で最も注目を浴びている法律が「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」、通称、テロ対策特別措置法。アフガニスタンでのアメリカの自衛戦争・武力行使を、自衛隊が後方支援するために制定された法律である。時限立法であり、もう2ヶ月足らずで期限切れとなり、その効力を失う。テロ特措法が失効した段階で、インド洋で各国の艦船に海上給油活動を行っている海上自衛隊の艦船は、日本に帰還することになる。この結論を目指しているのが野党であり、これを阻止しようとしているのが与党という構図。
日本の安全保障、国際社会におけるプレゼンス、日米同盟の関係・・・仮にこの法律延長が廃案となり、自衛隊が日本に引き上げてくることになれば、湾岸戦争以来再び日本が世界から馬鹿にされる事態を見ることになるだろう。理念なき撤退、理念なき外交、国益なき外交・・・外交を政局問題にしてしまったのだから、これは爆弾テロを仕掛けられてイラクからの戦力撤退を飲むこととなったどこぞの国の国会よりたちが悪い。
アフガニスタンでの対テロ戦争の為の国際協調活動は、憲法上の制約で地上軍を出すことは難しいとしても、海上給油活動のような具体的な軍隊の派遣を用いた貢献をもったプレゼンスが必要だ。主張する外交を唱えるならば、国力に見合った、そして国家戦略に見合った責任の負担を、日本は国際社会で担っていくべきだ。
安全保障とか、外交という政治課題に対しては、国家として筋を通すことが非常に重要であるはずだ。小沢一郎の唱える国連中心主義や、集団的自衛権とテロ特の考え方も、考え方としてはわからないではない。アメリカの要請に応じて、その都度後手後手で安全保障政策を整備していくということは、日本の国益にならない。自動的にテロ特を延長することは、それ自体もろ手を挙げて賛成とまではいかないまでも、今回の議論を通じて、日本の国際貢献のあり方、自衛隊の海外派遣のあり方を、しっかりと恒久法という形で整備していくべきだろう。
日本は国際貢献の形として、”汗”を流すべきである。
しかしそれは同時に”血”が流れることも覚悟しなければならない。
その際に国家としてどう対応するか、という機軸がなければ、安易に踏み込むべきではない。
この法案は様々な政治的に面白い要素を含んでいる。
中曽根元総理の発言にもあるように、安全保障問題で党内での立場がばらばらな与野党を再編成する可能性も囁かれている。(もっとも、日本の政治のダイナミズムからいうとこういった動きは起こりにくい)
また、アメリカ側は当然否認しているが、衆議院議員の江田憲司氏が某番組で摘発したように、テロ特で出動している自衛隊の艦船から給油される油の多くがイラク戦争の部隊に使われているとしたら、大問題だ。
テロ特措法に対する日本政府、日本の政治・国会、世論のあり方が、この国の民主主義というものが、どれほど成熟したものであるか示すこととなるということは間違いなさそうだ。それは政府が、そして野党が、どれだけ政策論争で国民にこの法律、そして日本の安全保障のあり方を提示することができるか、つまり日本の国会は政策立案・形成能力があるのかということを探る試金石にもなる。今国会は注目してみていきたい。
※補足
下記の部分を見てみると、やはり日本の総理大臣の所信表明演説とは
スピーチの体裁をなしていないことがわかる。
「「ここまで厳しい・・・」とのご意見もあることは十分承知しています。」
というフレーズから、結論である「続投を決意しました」という文まで
あまりに前置きが長い。これは普通に聴いていても、人々が熱狂する
演説とはなりえない。
日本の政治家に足りないもの・・・それは言葉の力だ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
「ここまで厳しい民意が示されたのだから、退陣すべき」とのご意見もあることは十分承知しています。しかし、人口減少や地球規模の競争の激化、学校や家庭における教育力の低下、日本を取り巻く安全保障の環境変化、こうした時代の大きな変化に直面しているわが国が、豊かな国民生活と明るい未来を手にするためには、経済・行財政の構造改革はもとより、教育再生や安全保障体制の再構築を含め、戦後長きにわたり続いてきた諸制度を原点にさかのぼって大胆に見直す改革、すなわち、戦後レジームからの脱却が、どうしても必要です。
「わが国の将来のため、子供たちのために、この改革を止めてはならない。」私は、この一心で、続投を決意しました。初心に戻り、厳しい選挙結果を踏まえた「反省」と、国民のために闘うとの「覚悟」を持って、引き続き改革に取り組むことにより、国民の皆様に対する責任を果たしてまいりたいと思います。
※※※※※※※※※※※※※※産経新聞電子版※※※※※※※※※※※※※
今回の国会で最も注目を浴びている法律が「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」、通称、テロ対策特別措置法。アフガニスタンでのアメリカの自衛戦争・武力行使を、自衛隊が後方支援するために制定された法律である。時限立法であり、もう2ヶ月足らずで期限切れとなり、その効力を失う。テロ特措法が失効した段階で、インド洋で各国の艦船に海上給油活動を行っている海上自衛隊の艦船は、日本に帰還することになる。この結論を目指しているのが野党であり、これを阻止しようとしているのが与党という構図。
日本の安全保障、国際社会におけるプレゼンス、日米同盟の関係・・・仮にこの法律延長が廃案となり、自衛隊が日本に引き上げてくることになれば、湾岸戦争以来再び日本が世界から馬鹿にされる事態を見ることになるだろう。理念なき撤退、理念なき外交、国益なき外交・・・外交を政局問題にしてしまったのだから、これは爆弾テロを仕掛けられてイラクからの戦力撤退を飲むこととなったどこぞの国の国会よりたちが悪い。
アフガニスタンでの対テロ戦争の為の国際協調活動は、憲法上の制約で地上軍を出すことは難しいとしても、海上給油活動のような具体的な軍隊の派遣を用いた貢献をもったプレゼンスが必要だ。主張する外交を唱えるならば、国力に見合った、そして国家戦略に見合った責任の負担を、日本は国際社会で担っていくべきだ。
安全保障とか、外交という政治課題に対しては、国家として筋を通すことが非常に重要であるはずだ。小沢一郎の唱える国連中心主義や、集団的自衛権とテロ特の考え方も、考え方としてはわからないではない。アメリカの要請に応じて、その都度後手後手で安全保障政策を整備していくということは、日本の国益にならない。自動的にテロ特を延長することは、それ自体もろ手を挙げて賛成とまではいかないまでも、今回の議論を通じて、日本の国際貢献のあり方、自衛隊の海外派遣のあり方を、しっかりと恒久法という形で整備していくべきだろう。
日本は国際貢献の形として、”汗”を流すべきである。
しかしそれは同時に”血”が流れることも覚悟しなければならない。
その際に国家としてどう対応するか、という機軸がなければ、安易に踏み込むべきではない。
この法案は様々な政治的に面白い要素を含んでいる。
中曽根元総理の発言にもあるように、安全保障問題で党内での立場がばらばらな与野党を再編成する可能性も囁かれている。(もっとも、日本の政治のダイナミズムからいうとこういった動きは起こりにくい)
また、アメリカ側は当然否認しているが、衆議院議員の江田憲司氏が某番組で摘発したように、テロ特で出動している自衛隊の艦船から給油される油の多くがイラク戦争の部隊に使われているとしたら、大問題だ。
テロ特措法に対する日本政府、日本の政治・国会、世論のあり方が、この国の民主主義というものが、どれほど成熟したものであるか示すこととなるということは間違いなさそうだ。それは政府が、そして野党が、どれだけ政策論争で国民にこの法律、そして日本の安全保障のあり方を提示することができるか、つまり日本の国会は政策立案・形成能力があるのかということを探る試金石にもなる。今国会は注目してみていきたい。
※補足
下記の部分を見てみると、やはり日本の総理大臣の所信表明演説とは
スピーチの体裁をなしていないことがわかる。
「「ここまで厳しい・・・」とのご意見もあることは十分承知しています。」
というフレーズから、結論である「続投を決意しました」という文まで
あまりに前置きが長い。これは普通に聴いていても、人々が熱狂する
演説とはなりえない。
日本の政治家に足りないもの・・・それは言葉の力だ。
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「ここまで厳しい民意が示されたのだから、退陣すべき」とのご意見もあることは十分承知しています。しかし、人口減少や地球規模の競争の激化、学校や家庭における教育力の低下、日本を取り巻く安全保障の環境変化、こうした時代の大きな変化に直面しているわが国が、豊かな国民生活と明るい未来を手にするためには、経済・行財政の構造改革はもとより、教育再生や安全保障体制の再構築を含め、戦後長きにわたり続いてきた諸制度を原点にさかのぼって大胆に見直す改革、すなわち、戦後レジームからの脱却が、どうしても必要です。
「わが国の将来のため、子供たちのために、この改革を止めてはならない。」私は、この一心で、続投を決意しました。初心に戻り、厳しい選挙結果を踏まえた「反省」と、国民のために闘うとの「覚悟」を持って、引き続き改革に取り組むことにより、国民の皆様に対する責任を果たしてまいりたいと思います。
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