街並みの彼方、あたたかくやわらかな色彩の空は、僕に届くときには既に冷たく、恋のようなやりかたで僕をとらえて離さない。

秋の夕暮れは常に僕の意思を考慮せずに、繰り返し繰り返し訪れる。

白球を追う少年にも、恋人を送る青年にも、等しく幾度も訪れる。

僕が神の与えた時空のどこにいようが避けられない現実であり、もう避けようとも思わない。

倦怠と焦燥と郷愁とが溶けあったような茜色の空は、静かに心の温度を下げる。

何処も同じ秋の夕暮れ
何時でも同じ秋の夕暮れ

少年の日も今も変わらず、秋は切なく儚く暮れてゆく。

そして僕は長い夜のあいだに酒を飲み、冷えてしまった心を温める。

きっと明日になる頃には、あと一日くらいはやっていける気がしている。