“もういいよ。わたしたちも降参しようよ。”
と彼女が囁いた。
“いつまでもこんなやり方が続くわけがないじゃない。
あなたはこんな生活をするために生まれてきたの?”

“違う。いつまでも続ける気は無いさ。
だけど今は仕方ないんだ。
こういう道を歩くと決めたんだ。
途中で引き返すことはできない。
本当にやりたいことをやるには、それなりの行程を踏む必要があるんだ。
君とも何度も話し合って決めたことじゃないか。”

“あなたの今って何万年あるの?
いつ聞いたって今は仕方ないって、そればっかり。
今が終わる頃には、きっとあなたも終わっているわ。”

そのとおりだ。
彼女の言うことはいつも正しい。
僕には勇気が無いだけなんだ。

“ねえ、星の一生から見たらあなたがどう生きるかなんてどうでもいいことなの。
誰かを傷つけたり、裏切ったからってどうだというの?
何であなたが、わざわざ苦しい思いをしなければならないの?”

“セキニンってものがある。”

“またそうやってわたしの知らない難しいことばでごまかすのね。
セキニンとかシャカイとかシゴトとかカゾク…
あと何だっけ、ジュンジョ、メイワク、ケイカク、他にもあったかな?
あなたの話は正直ワケワカンナイわ。
ワケワカンナイって分かる?”

“疲れてるんだ。
もう話したくない。”

“人が手に入れた自由を羨ましいと思っても、自分はいつまでも動こうとしないのよね。
今日、彼の話を聞いてグラッとしたくせに。”

“彼は彼が動くべきときが来たから動いたんだ。
羨んでなんかいないし、僕にはまだここでやらなければならないことがある。
それだけのことだ。
頼むから、僕の前から消えてくれ。”

“バカみたい。
消えられるわけないでしょう。
わたしは、あなただということも分からなくなっちゃったの?”

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覚醒中にも、アニマが現れる。
良くない兆候だ…