橋の上からの釣りと道路交通法 | 孤独な法律学習者の夢想の記録
どうでもいい話。

橋の上からの釣りは、何故ダメなんだろう??と考えていた。ダメだダメだ、と言われながら、なんでダメなのかは、あんまり言われてない気がする。


①調べてみると、橋の上からの釣りは、道路交通法76条3項に違反する、ということが言われている。

◆第七十六条  3  何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

前提として、歩道は道路の一部(2条2項)だから、橋の上の歩道に物件を置いても、「道路」に物件を置いたことになる。
ルアーボックスなどの「物件」を「交通の妨害となるような方法で」、橋の上の「道路」の一部分である歩道に置けば、それは、76条3項違反の行為となるだろう。
「交通の妨害となるような方法で」という要件は、解釈の幅が広そうだが、恐らく、物件の置かれた状況だけでなく、物件を置いた目的となる活動の状況も、考慮できるんじゃないだろうか。例えば、置かれたルアーボックスやタモだけでなく、横で竿を降ることの交通妨害状況も、考慮できるんじゃないだろうか。そうじゃないと、橋の上からの釣りが取り締まられてる(らしい)現状からは、(置かれた物件だけの交通妨害状況なら釣りと同程度の)三脚立てての写真撮影も取り締まられるはずであることになるが、これは不自然だろう。


他には、76条4項2号にも違反しそうだ。

◆第七十六条  4  何人も、次の各号に掲げる行為は、してはならない。
二  道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまつていること。

こっちの方が素直そうだ。



という感じで、橋の上からの釣りは道路交通法違反になる。

因みに、76条3項違反は、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金(119条1項12の4号)、76条4項2号違反は、五万円以下の罰金(120条1項9号)となる。



②他に、「ヒットしても魚を回収できず、魚を殺すことになり可哀想だから」という理由が、あげられる。

これは、正当とは思えない。

②は、橋の上からの釣りと普通の釣りとを比較して、どちらを選ぶか、という枠組みで考えて出て来たものだろう。

確かに、この枠組みで考える限り、②の理由には説得力がある。

しかし、そのような枠組みの中でのみ考えるのは、ルアーフィッシングに内在する問題から目を背けることにならないか。

ルアーフィッシングをしている以上、よっぽどうまい人でない限り、一定の確率で、ラインブレイクが発生する。そうすると、ルアーを咥えた魚は、ほぼ確実に死ぬ。バーブレスでも、針が自然と外れる保証なんてどこにもない。
数日に一度くらい釣りに行く人なら、少なくとも一年間に一回くらいは、ラインブレイクに遭う=魚を殺す。ストラクチャーの裏を際どく攻めたりするようなスタイルをとるなら、その数はもっと上がるはずだ。

その可能性を容認しながらルアーフィッシングを続けることは、毎年一匹ないし数匹の魚を死なせることになる。

したがって、殺傷しないという目的を達成するためには、ルアーフィッシングを辞めるのが、一番いいはずだ。

②の理由は、意図的に枠組みを設定することで、橋の上の釣り人をスケープゴートにし、ルアーフィッシングに内在する問題から目を背けるものだろう。魚を遊びで虐待しながら、「魚に優しくない橋の上からの釣りはやめろ」と言うのは、論理のブーメランと言われても仕方が無い。

そんな偽善的で破綻した考え方は辞めて、魚を遊びで殺傷していることから目を背けず、
「私は、罪悪感から逃れるために、なるべく殺傷しない手段を採ります」
と考えてはどうだろうか。

自分は、なるべく殺さないようリリースするが、それは、生き物の死体やその予備軍を見ると気持ち悪くなるからです(虫の死体とかも大嫌い)笑



というわけで、橋の上からの釣りは法律違反なのでやめましょう。見つけたら、速攻で110番するか交番へ行きます。

以上は全て私個人の夢想であり、真実性は一切保証しませんので、悪しからず。