日本の心と評される花

なぜ この花は

我々の心を魅了するのか…


木花咲耶姫は

桜の化身とも言われる

姉の石長比売は

醜女として描かれる事が多いが

妹に比べたら

多少華やかさに欠ける

という程度だろう

苔むす岩が

美しくないわけはないのだから…


ちなみに私は

淡く咲き誇っては儚く散る

桜の美しさも好きだが

それと同じくらい

静謐に包まれた

苔むす岩の佇む

水辺の庭園も好きだ


車の名義変更が完了したので

父の影響で

幼き頃より詣る『寒川神社』へ

お祓いに行ってきた


これまでは

初詣のみの参拝が多かったので

一度もなかったのだが

本殿参詣者しか入ることの出来ない

本殿裏手の『神嶽山神苑』へ

初めて足を踏み入れた


静謐で清浄 厳かな空気

境内に足を踏み入れた時に感じるよりも

さらに濃い神気に満ちている…


ここが神域の中心


シン… と冴え渡る空気の中にも

陽の光の温かさを感じる


あまりにも特別な気配に

写真を撮るのも憚られた


石舞台に

垂れ桜と岩が織り成す

水辺の聖域が広がっていた


そう

桜と岩

木花咲耶姫と石長比売は

二人並んでこそ

真の美しさを体現する


悠久と刹那

栄華と静謐


愚かな男(神だけど…)が

片方だけを我が物としたことが

全ての過ちの始まり

父神は 二人とも授けると言ったのに…


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