先日長女のオープンスクールに行った時の話

長女が体験授業を受けている待ち時間に学校主催の講演会がありました
平田オリザ氏が語る今の子供達の置かれている環境についてのお話
そこで聞いた具体的な話は納得いくものでした

私自身漠然とではありますが長年の就職難は国内の働く場所が激減しているからだろうと思っていましたし、国内での物作りは壊滅状態になっているから子供達が働く頃はサービス業しかないのではと思っていました

平田氏は現在大阪大学で教えているらしく就職先の企業と話す事が度々あるそうです
今企業が求めている人材はコミュニケーション力と強調性のある人です
英語などの語学力はかなり低い位置付けで、今は英語なんて誰でも話せるのでたいしたセールスポイントではない

中高一貫校で男子校の理系は三重苦と言われていると…
幼い頃から母親がずっとそばで世話をやく
ご飯と言うだけで食事が出てくる
下手したら食卓に座るだけで食事が出てくる
そんな生活を長年過ごしていると会話をしない単語だけの生活で日々が送れるわけです
そして会話する女性は母親のみ
そんな男の子が大人になったらどうなるのか…
少し大丈夫かなと心配

学生時代は勉強さえ出来ていれば認められていた世界から今度は他者とのコミュニケーションを求められ、場の空気を読み上司の気持ちを瞬時に察する
今まで居た世界から全く違う世界に放り込まれる訳です

とにかく今サービス業についている人は70%で、子供達が大人になる頃には80%になるそうです
結構驚く数字ですね

就職するためにはコミュニケーション力は不可欠
子供の頃から社会性を身につけられるように近所の大人と接したりアルバイトなどをして大人と関わる生活を送る事が大切とのこと

私達の頃は駄菓子や商店街・夏祭りなどで大人と関わることが多かれ少なかれありましたが今はコンビニやスーパーなど会話をしなくても物が買えるし近所の地域コミュニティーもなくなり子供と家族以外の大人とのコミュニケーションは激減しました

こんな世界を作ってしまった今の大人達は当たり前のように成長した子供達にコミュニケーション力を要求するのです
困った世の中ですがそれも現実です
うまく受け入れていかないと引きこもりの大人になってしまうのです
有名国立大学に入って引きこもりになる学生が1割いるのはそういう現実があるからなのでしょう(汗)

私の友達のご主人は大阪大学で教えていますが学生の親御さんから「先生から息子に電話で大学に行くように言ってもらえないでしょうか」と頼まれています
頼まれた方にしても大学生ははっきり言って大人な訳です
「俺が何か言って大学に来るなら何もしなくても来るやろ」って言っていました

今の子育ては難しいです
核家族で兄弟も少なく家族の中でもコミュニケーションが減っている訳ですから意識してコミュニケーションを持たないとコミュニケーション力は身につかないのではないでじょうか

1時間弱の講演でしたが、聞けて良かったです
この講演で漸く納得です
最近授業に表現力や自己主張などのコミュニケーションを身に付けるものがありますとアピールする学校が増えた訳です

勉強することは大切ですが、やはり生きていくために勉強した事を実際に役立てることができるようにコミュニケーション力を身に付けられるように親は少し離れた場所で見守りたいです