「もーぅ、頭来た!!もう、ヒョクなんて知らない!!嫌い!!」
「そうか、じゃ勝手にしろ!」
そう言って俺は楽屋を後にした。
きっかけは些細なことだった。
アルバムのMV撮影でのこと。
ヨジャモデルとの絡みがあって、俺が照れてしまい恥ずかしさを誤魔化すために顔が緩んでしまった。
それがドンヘには許せなかったんだろう。
映像の確認作業を終えて楽屋に戻ってから
「ヒョクの顔がだらしなかった」とか「俺なんかよりヨジャの方が良いんだろ」とグチグチ言ってきたから・・・。
始めのうちは「そんなことないよ」って笑ってられたけど、
あまりにもしつこいからついつい声を荒げてしまい・・・今に至ると言うことだ。
ドンヘを残して一人宿舎に戻ってきたけど・・・。
シャワーを浴びて寝てしまおうと横になっても胸の奥がモヤモヤする・・・。
俺はジャンパーを羽織ると車のキーを握って宿舎を出た。
車を飛ばしてドンヘのマンションに着いた。
部屋に明かりがついているからいるんだろう。
♪~♪~♪~
ガチャッ
「・・・」
「俺」
「どちら様ですか?知らないんで帰ってください」
ブツッ
このやろう・・・
持っていた合鍵を使ってドンヘの部屋に入ってやる。
「勝手に入るぞ」
そう言って中に入っていくと、ドンヘが一瞬驚いた顔をして俺の顔を見たのを確認した・・・のと同時にクッションがものすごい勢いで飛んできた。
俺はそれを一つ一つ避けてドンヘに近づくとドンヘの腕を掴んだ。
「放せよ!勝手にしろって言っただろ?!」
「落ち着けよ」
「落ち着いてるよ!でもヒョクが勝手に人の家に入ってきたんだろ?!」
「お前が開けてくれないからだろ?とりあえず話しに来たんだから落ち着いてくれ」
俺の掴んでいる手を振り払おうと暴れていたドンヘを自分の懐に抱き寄せる。
「俺は話すことなんかない」
暴れるのをやめて少し落ち着いてドンヘが呟いた。
「俺があるの。ナニをそんなにイライラしてんだよ」
ドンヘの背中を摩りながら優しく聞いた。
「だって・・・ヒョクがエロい顔して歯茎全開でにやけてた・・・」
それは俺の顔をバカにしてんのか?
「俺の生まれつきの顔をバカにしてんですか?」
「違う!ヒョクの顔は元々かっこいい・・・けど・・・今日のはちがかった・・・」
最後の方は声が小さいし。
「オレだけが見てもいい顔をしてた・・・デレってした顔はオレだけのだと思ってたのに・・・」
何だよ、嫉妬か?
「ヨジャの方が身体は柔らかいし、良いにおいだし、髪は長くて綺麗だし・・・ヒョクはやっぱりオレなんかじゃなくてヨジャの方が良いのかなって・・・」
どっちだ?劣等感か?
「もし・・・そうだったら・・・オレ・・・っ・・・うぇっ・・・」
嫉妬と劣等感とどっちもか。
全く・・・困ったやつだな・・・。
「おい、ドンヘ。お前は何度言ったらわかってくれるのかな~」
「ふぇ?っぐっ・・・」
あーあー涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。
「俺はね、柔らかい身体も良いにおいも長い綺麗な髪も求めてないんだ」
そう言いながら身体を少し離してティッシュペーパーでドンヘの涙と鼻水を拭いてやった。
「俺が一番求めているのはドンヘなんだよ?」
「でもっ・・・ヒョクっ・・・ひっく・・・歯茎全開でにやけてた・・・」
まだいうか。
「それは・・・お前の前で絡まないといけなくて・・・恥ずかしかったんだよ・・・」
「え?」
涙で濡れた目を真ん丸にして驚いたドンヘ。
きっとドラマで色んなラブシーンをこなしてきたドンヘには理解できないんだろう。
「好きなやつの前で他のやつと絡むのなんか恥ずかしくて俺には難しかったんだ。だから大目に見てくれよ」
「ヒョク・・・」
「俺はね、ドンヘさえいれば良いんだ。ナムジャとかヨジャとか関係ない。ドンヘだから好きなんだよ」
「ほんと?」
上目遣いで聞いてくる可愛い可愛いドンヘ。
「ほんとにほんと」
ドンヘの頭を優しく撫でてやるとドンヘは嬉しそうに目を細めた。
「それに・・・お前が言う良いにおいがどんなのか知らないけど・・・俺にとっての良いにおいはお前のにおいなんだけどな~」
そう言ってドンヘの首筋に顔を埋めると、ドンヘが「うわぁっ」って声を出した。
「じゃ、これから俺の本気を見せてあげましょうか」
「え?!ヒョクの本気?!え?!なに?!ちょっ・・・」
俺は軽々と・・・はいかなかったけどドンヘを抱き上げると寝室に向かった。
つづく
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あらあら・・・♡
続いちゃう( ´艸`)
ヒョクチェさんの本気ってどんなの~~~~?!
次はドンヘさん目線です。