好きだと思った時に、好きだと言える。


触れたいと思ったときに、触れることができる。



それが、どんなに幸せなことか、


今になって思い知る。



あの時も、あの時も、あの時も。



十分感じてたつもりだったし、


すごく噛み締めてたはずだったし、


絶対今の幸せを忘れずにいようと、


思ってたのに。



やっぱり、


わかってなかった。



すぐに言える距離。


すぐに手が届く距離。



失くして気付く…


というか、


思い知る。



それって、


すごく特別で、


幸せなことなんだってこと。



好き。


触れたい。



溢れる想いを、


募る想いを、


こぼれ落ちる想いを、


受け止めてもらえた、幸せ。



今は、


やり場のないこの思いを


溢れないように、


こぼれ落ちないように、


必死に自分の中に抑え込みながら、


もがいている毎日で。



ねぇ、大好きだよ。


触れたいよ。


あのときより、もっと。



涙はどこで生まれるんだろう。




今日、どれだけの量の涙を流して


今日、どれだけの時間涙を流して。


それでも、涙は止まらず。


泣いては泣きやみ、泣きやんでは泣き。


寄せては返る波のように。


絶えず絶えず、涙が押し寄せる。




彼の顔を見ては泣き、


彼の声を聞いては泣き、


彼を思い出しては泣き、


思い出を思い出しては泣き、


来年を思っては泣き、


こんなに泣いても果てない涙が悲しくては泣いて。



彼の中ではもう、私との恋は「終わった過去の出来事」となっていて、


それを知っていながらもなお、想いを引きずっている自分が悲しすぎて、泣いて。



それでも、なんとかつなぎ止められないかなって希望を捨てきれない自分がいる。



彼に唐突に「別れよう宣言」を言われたあの日、


自分史上で一番泣いて。


もう、あの日以来涙は出なくて。


釈然としない想いは引きずりながらも、気持ちは変に冷静で客観的で、


涙の底は着いたと思っていた。





でも、最後の日に近づくにつれて。


涙はまた止まらなくなって。





最後の日。


最後の日。


最後の日。





最後の日。

会社にいると、何をしててもどこにいても


「来年の話」をしてて、イヤになる。


「来年は○○さんが××に異動」


だの


「来年の方針は…」


だの。


来年の話なんて、


聞きたくないし


考えたくないのに。


会社としての話だから、全然関係ないけど、


「来年」て聞くたびに、彼との未来がチラついてしまう。


会社だというのに、涙の波が次から次に押し寄せて来て困った。




彼に


「どこでもみんな、来年の話ばっかり。


 まだ来年の話なんて考えたくないのに」


って言うと、


しばらく言葉に詰まって、困ったように少し笑いながら


「来年は寂しくなるもんな…」


って小さく言った。


語尾は聞き取れなかった。


最初の半分を聞いただけで、


いやなことを言われるってわかって、


涙が眼に溜まって、こみ上げる感情が耳をふさいでしまったからだと思う。


私の言葉に否定することなく、すんなりと認めた彼の言葉を聞いて


結局涙が止まらなくなった。


涙のピークはもうとっくに過ぎたと思っていたのに、


彼の言葉1つで、こんなにも簡単に涙がこみ上げ、どうにも止まらない。


抑えられない。





未来がない恋だとは、最初からわかっていた。


必ず「終わり」が来ることは、わかっていた。


それ以外の道はないことは、わかっていた。





でも、まさか今だとは思わなかった。


彼から言われるとも思わなかった。





それよりなにより、


自分がこんなにもボロボロになってしまうとは思わなかった。





こうなる結末は最初から確信していたのに、


それを承知で始めた恋だったのに、


それでもいいと思っての恋だったのに、


いつも「別れ」を心において付き合ってた恋だったのに、


それなのに


いざ現実になると、


こんなにも


失望感に押しつぶされて、


すべてを見失ってしまうなんて。