美しく輝く空と雲を見ていました。雲の下に隠れた太陽がそこから周りを力強く照らし出している。その様子を感動しながら見つめていました。ただただ無心で見とれていました。

 

"Every cloud has a silver lining." 誰かが私の頭の中で囁きました。「どの雲にも銀の裏地がついている。」 その光景はまさにそのものでした。それは、私の好きな英語のことわざ。「どんな絶望の中にも必ず希望の光がある。」という意味の。胸の中が幸せでいっぱいに満たされて、気づくと涙がこぼれていました。

 

生きていくにつれ、私は更なる幸福を感じられるようになりました。誰かが一緒にいてくれる時はもちろんのこと、家で一人でただ過ごしているだけでも、幸せ!と叫びたくなる位の至福感に度々包まれます。なぜなのか不思議に感じて考えてみたのですが、恐らくそれは、「喜び」「悲しみ」「寂しさ」「切なさ」「恐れ」「怒り」、そういった様々な感情の波を全て無視せずにそのままに感じてきたからなのかも知れません。人の、自分の、社会の、「裏」や「表」を、「綺麗なもの」や「汚いもの」を、たくさん目にして体験してきたからかも知れません。

 

私は特別な人間ではないから、経験しなければ何も理解することができなかった。わかることができなかった。悲しくて泣き暮らしていた時期も、勉強や仕事に追われて苦しかった時期も、悔し過ぎて眠れなかった時期も、全部あって良かったと今、本当に心から思えるのです。