小学5年生の1年間
全く入れなくなっていた教室に
いきなり入るのには勇気がいる


3階の一番奥の教室
階段を登っていくにつれ
だんだん足が重くなる


6年生になった初日
担任はそれを察して


教室の隣にある
家庭科準備室に連れていってくれた


先生の声は大きいから
隣の部屋に居ても聞こえるから大丈夫


教室に入れなくても
隣の部屋でも大丈夫
ってことではなく


隣の部屋でも
先生の声は大きいから聞こえる
だから大丈夫


この大丈夫の置き所


どれだけ安心しただろう
ほんの少しの気遣いで安心は増す


おかげで毎日
家庭科準備室へ登校するようになる


給食の時間
お友達数人が給食持参で
家庭科準備室に来てくれる


一緒に食べて、笑って
毎日代わる代わる
今日は俺が行く
いや。お前昨日行ったから
今日は俺が行く
そんなに大勢で行ったら
負担になるかもしれないから
3人までな。とか


そんなやり取りをしながら
だんだんと馴染んでくる
自然と教室に入れるようになる


小学校生活最後の1年間は
修学旅行も運動会も楽しんで
卒業できました


中学校生活の3年間も
不登校になることもなく
卒業できました


高校3年生になった息子に
あの頃のことを聞くと


学校に行けるようになるまでは
親と先生とで作ってくれるけど
実際に学校に行った後は
自分で何とかしないといけない
だからあの時は友達に救われた


そう言っていた


あれから息子の中で小学5年生は
封印されていた


今年になるまでは















twinkle☆twinkle
~キラキラ輝く毎日を