シカゴファイル2012/中村 靖彦

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中村靖彦氏の作品です。
元NHKの方で食料問題の専門家、
その方面ではかなり有名な方です。

時は、2011年からスタートです。
今から3年後、日本の食料事情はどうなっているか。
超近未来を描いた作品です。

昨年前半まで続いた原油高騰や食料価格の上昇、
リーマンショックから起こった金融危機で、
投機マネーが、一気に引き上げたことから
原油や食品の原料の価格もぐっと下がった訳ですが、
今後この状況が続くことはなく、再び上昇する
特に、アメリカのとうもろこし、大豆は
バイオエタノールへの使用などの影響から逼迫します。

輸入の減少、価格の暴騰に国内の畜産農家が
もっとも被害を受けることになります。
それは配合飼料の原料に使われるからです。
そんな状況に陥る末路が描かれています。

しかし、著者はこの分野の専門家過ぎて、
本の内容が小説というより、解説書になっています。
輸入商社がどう動くか、品不足になると必ず
でてくる買い占め屋、そしてこの作品の最大の
特徴でもある、役所がどんな対応をするのか、
それを追うマスコミ、様々な角度から近未来に
警鐘を鳴らしています。

主な舞台は農林水産省です。
その内容は、おそろしく細部まで描かれており
登場人物の役職や、内部組織の名称が事細かに
描かれていて覚えられません・・・

この作品は、よくある小説のように
何か事件が起こり、それに対してどう解決するのか
を描いたものではなく、事件が起こりました、以上。
という感じの作品です。

きっと来るであろう食糧危機の中で、私たちは
どう生きていくべきか、そして輸入に頼っている
今の日本の現状を転換すべく自給率向上への
取り組みをしましょう、それは私たち一人一人が
役所頼りにするのではなく、皆で取り組むべき
課題なのだということを訴えているように
感じる作品でした。