誤審/麻野 涼

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とにかく凄い作品でした。
結末は恐ろしく感じます。
まさに、長編ミステリーです。

父親の冤罪事件により、本人はもとより、家族全員の人生は
滅茶苦茶にされました。
主人公は、田舎で起きた資産家夫婦殺害事件の容疑者とされ
15年もの間、裁判で争ってきた大船貢の三女、典子です。

もともと貧しい家族は父親という柱を失って崩壊します。
典子は看護師として独立します。
長女は自殺、次女は行方不明、母親はうつを患うのでした。

看護師として働く、典子は偶然、元中学の教師が末期癌で
入院してきた事から父親の冤罪事件に関する手がかりを
知る事になります。

関係者皆が、父親に不利な証言をし、町全体が大船一家を
犯罪者呼ばわりし、次々に家族が亡くなっていくのでした。
釈放された父親にしてもあっけなく亡くなります。

典子も結婚するものの、相手の両親に反対され、結局離婚する
ことになります。
これほどまでに不幸が襲ってくる事はあるのでしょうか。
その恨みは相当なものです。
いつかは復讐したいという気持ちが、ある真実を知った時
爆発するのでした。
その復讐方法とは、あまりに冷酷で恐ろしさを感じました。

近頃読んだ作品の中でも一番の怖さを感じる一冊です。
地味で暗い印象のストーリーに宿る怨念。
大変面白く怖さを感じた作品です。