「私は……、この世界が、大好き。護りたい。だから」


そう、私はこの世界が大好き。ヒトが、動物が、植物が生きる、この美しい世界が。

だから私は、ここを護りたい。護っていきたい。


今からすることは、もしかしたら私の命の灯火を消してしまうかもしれない、危険なこと。だから彼は、私の手首を掴んで止める。
けれど、私の決意は変わらない。変えることはない。
私がやらなければ、同じ使命を持つ、彼にこの運命を背負わせてしまう。それだけは、避けたい。


私の手首を掴んで離さない彼の手を、私はゆっくりとほどく。

顔をあげると、揺れる瞳とかちあった。いかないで、と瞳で訴える彼に、私は微笑んだ。


「止めて…くれて、ありがとう。でも、ごめん。ごめん、なさい」

謝罪にいろんな意味を含める。

私が一人で運命を受け入れること。あなたを一人残してしまうかもしれないこと。

ごめんなさい、にそれらをのせる。それを、彼は分かってくれただろうか。


私は、彼に背を向けて、歩きだす。後ろは振り向かない。

きっと、振り向いてしまったら、私の臆病な部分を隠した決意が、崩れ去ってしまうから。

崩れ去らないように、前を向いて決意だけを胸にした。


私は願い、祈った。

彼が生きる世界が、みんなが生きる世界のことを。

代償は、私の命。




「……どうか、世界が平和で、穏やかであるように」




あなたが死ぬのは見たくない。だから私は、あなたの代わりにその運命を、受け入れましょう。

(暗くなる意識の淵で、脳裏に浮かぶのは、彼の姿)




この声は~の女の子視点。

私はどうやら派生させていくのが、好きらしい。

今回は、ちゃんと題に沿ってる、筈……。