日本最長距離普通列車で行く道東の旅8 根室まで | 旅の窓

旅の窓

『gooブログ』から記事の引越しが終わりました。只今、テーマの分類作業中!

第7列車 根室本線 快速はなさき 根室行 乗車距離 88.8km
厚  岸          06:47発
糸 魚 沢(いといざわ)     レ
茶  内(ちゃない)    07:06着 07:11発
浜  中(はまなか)    07:18着 07:18発
姉  別(あねべつ)      レ
厚  床(あっとこ)    07:32着 07:33発
初 田 牛(はったうし)     レ
別 当 賀(べっとが)      レ
落  石(おちいし)    07:55着 07:56発
昆 布 盛(こんぶもり)     レ
西 和 田(にしわだ)      レ
花  咲(はなさき)      レ
東 根 室(ひがしねむろ)    レ
根  室(ねむろ)     08:13



 着厚岸駅といえば何といっても駅弁「かきめし」が名物で、駅前にある氏家待合所でで製造・販売をしています。待合所とは、駅周辺で食堂や売店などを営業しながら、列車などを待つことができるスペースを無料で提供するという店舗です。
 氏家待合所は、大正6年に厚岸駅開業と同時の営業を始め、昭和35年から「かきめし」を販売していますが、営業時間が8時30分14時30分ということで、まだ店は開いておらず今回は買うことは出来ませんでした。

(氏家待合所)

 



 3日目は、納沙布岬に行ってから釧路に戻り、釧網本線で網走を目指します。


 厚岸駅からは6時47分発快速はなさき根室行に乗車。根室本線の中でも、釧路・根室間は「花咲線」の愛称が付いています。


 そのためJR北海道の数あるキハ54系ですが、ここで使用している車輌にはハマナスの花をイメージしてピンクの帯が巻かれ、座席シートは水色を主体に、沿線ので見られるエトピリカ、白鳥、ミミズクの鳥類、白樺林、納沙布岬灯台、岬が描かれていました。


 厚岸駅を出るとすぐ右手に厚岸湖が広がり、列車は湖岸ぎりぎりを走り、やがて、湖に流れ込む別寒辺牛(べかんべうし)川とその支流チライカリベツ川の流れる別寒辺牛湿原の中を進みます。

(厚岸湖)

 




(別寒辺牛湿原)

 



 ここはタンチョウも営巣するそうで、この日もその姿を見ることが出来ました。そして急ブレーキ。タンチョウが線路に降りているためとの車内放送がありました。
 糸魚沢駅を通過すると、少しの間国道44号と並行して走り湿原を抜け、国道44号と離れて丘を上ると茶内駅に着きます。
 茶内駅の旧駅務室は浜中町の展示コーナー「ふれ茶内(ちゃう)館」となっており、浜中町営軌道の写真、資料が展示されていました。

(ふれ茶内(ちゃう)館)

 



 浜中町営軌道の前身は茶内殖民軌道。旧北海道庁が開拓入植地の交通の便を図るために建設したもので、「地方鉄道法」や「軌道法」に基づかないでつくられたもので、「軌道」とは名付けられていたものの当初の動力は馬だったそうです。茶内殖民軌道は、昭和47年3月31日まで運行され北海道最後の殖民軌道として知られています。
 茶内駅を出ると林の中を通って浜中駅へ停車。
 浜中駅から姉別駅までは林が続き、その向こうに雄大な牧場が見えてくると姉別駅を通過。

(浜中駅・姉別駅間)

 姉別を過ぎても牧場がどこまでも続いています。まさに「北海道はでっかいどー」。次は、厚床駅に停車です。


 ここは平成元年4月29日に廃止された、根室標津を経由し釧網本線の標茶駅を結ぶ標津線の分岐駅でした。ホームには「旧標津線分岐厚床駅」の記念板がありました。
厚床から標高を上げ、しばらく草原を見ながら進みますが、その後雑木林の間を走り、林を抜け出すと、秘境駅ランキングの上位にランクされる初田牛駅を通過。周辺に牧場が多いことから牛の字時の着いた駅名かと思ったが、駅名の由来はアイヌ語の「オ・ハッタラ・ウシ」、川口にふちのある所という意味だそうです。

(間もなく初田牛駅を通過)

 



 引き続き平行する道路が見え隠れする林間を進み、小集落が見えてくると、貨車に子どもの絵が描かれた待合室のある別当賀駅を通過。
 別当賀駅を出てはじめのうちは林間を走ります。ここは「防霧保安林」と呼ばれ、基幹産業の酪農業を霧から守るためのもので、北海道では根室・釧路・十勝管内だけに見られる保安林だそうです。鉄道防雪林や防風林は鉄道会社が管理・維持をしているのに対して、保安林は森林法に基づいて国・道によって管理されているそうです。

(別当賀駅落石駅間の保安林)

 



 しかし、太平洋からの風が強いのかだんだん木の丈が低くなってきて、いつの間にか木も生えない丘となり、左にカーブを来ると、急に太平洋が迫ってきて前方に落石岬が見えてきました。落石岬の付け根を通過して、落石港が見えて来て落石駅に到着。

(落石岬)

 



 落石駅周辺は霧に包まれることが多いと聞きますが、今日も霧がとても濃く鉄塔の先が見えませんでした。そのため本当であれば丘の上を走り太平洋に突き出す落石岬や砂浜で昆布を干す光景が見られませんでした。

(落石駅・昆布盛駅間)

 



 昆布盛からまた内陸に入り西和田駅を通過すると、カニで有名な花咲駅を通過。とは言っても、駅は丘の上にあり、周りは牧場で、花咲駅を出てまもなく、遠くに花咲岬の花咲風力発電所が見え、一瞬その下の花咲港も見ることが出来ました。

(花咲岬)

 



 左右に市街地が見えてくると、日本最東端の東根室駅を通過し、終点根室駅に着きました。

(東根室駅)

 


 
 根室本線の終着駅とは言っても、側線は何本かあるものの、ホームは1本だけでした。

(根室駅)

 




 この根室駅は、大正10年の開業当時は日本最東端の駅でしたが、昭和4年から昭和34年まで、根室駅(国鉄、その後のJR根室駅とは別地点)から根室半島南岸に沿って歯舞村の歯舞駅までを結んで根室拓殖鉄道の軽便鉄道路線ががあったためその座を譲り、その後東根室駅が新設されたため、現在は東根室駅が日本最東端の駅になっています。そのため、根室駅では根室駅の他、東根室駅の入場券も販売していました。



 根室駅には8時13分に到着し、11時3分発快速はなさきで釧路に戻る計画なので、根室滞在は2時間50分です。

 つづく