なんだか鬱日記みたいなタイトルですが、これは本の題名です。
奥田英朗著、文春文庫(上下巻)
今、映画で話題のガールの作者です。
私はガールは読んでないけど、伊良部シリーズは全部読んでます。
愉快でテンポのいい作品が多いんだなぁーという印象でした。
が。
これはね、ホントね、ちょっとね、無理、だった。
題名そのまま。
帯には「一気読み必死」なんて書いてあったけど、(確かに下巻の後半は一気読みしちゃったけど)上巻なんて、読むのしんどくて、一気読みなんてとてもじゃないけどできませんでした。
内容が、暗くて、リアルで、読んでるのが辛くなるんです。
これ一気読みしたら、どれだけの時間暗い気分に浸ってなきゃいけないのか。
なぜそんなにしんどいかと言うと、リアルだからです。
舞台は、最近合併をした東北の地方都市。
合併をしたから市の規模や人口自体は決して小さくはない。
だけど合併したとたん自治体が引き締め政策になって生活保護世帯の削減に必死な一方、ヒマを持て余す部署もある。
だからといって、こんな田舎にろくな仕事もないし、最近できた大きなショッピングセンターのおかげで商店街はシャッター街だし、おしゃれなカフェなんてないし、そもそも生活自体車なきゃやってられないし。
でも宗教とパチンコ屋だけはたくさんある。
そんな地方都市。
もうほぼ全ての要素が私の地元の現実でした。
唯一の違いは、うちの地元では暴走族が縄張り争いをしてないことぐらい。
登場人物の全員の言い分に共感できました。
なんかもう読めば読むほど悲しくなっちゃった。
私は、この世界を知ってる。
小説の中の話じゃない。これは、現実だ。
決定的な悪い奴がいるのでもない、誰を恨むでもない、なのに、こんなにも不幸が蔓延している、この感じ。
私は知ってる。
知ってたけど、私はそこから出てきて、東京でそれなりの仕事について、幸福に暮らしてる。
だから、あんまり意識してこなかった。
でも、こうして私の地元の抱えてる現実を文章として、こうもはっきり突きつけられると、どんどん悲しくなってしまった。
私の地元というか、日本の全ての地方都市だと思うけど。
中央と地方の格差。
富裕層と貧困層の格差。
地方都市が不幸だとは微塵も思わないし、地元大好きだし、むしろ満員電車に嫌気がさしてる今は毎日実家帰りたいって思ってるけど、この本は本当に私に大きなダメージを与えました。
特に上巻はきつかった。
よく最後まで読んだよ、自分。
読んだところで何も救われなかったけど。←
こんな暗いこと書いて、結局鬱日記気味になってますが、オススメです。
都市の近辺でしか生活したことない人には、ぜひ読んでほしいです。これが今の地方都市の現実だから。
あー、久しぶりに本読んで疲れた(´Д` )