【フィギュア】18歳次世代エース・宇野昌磨インタビュー



「記憶に残らない選手にはなりたくない」と話す宇野昌磨

 フィギュアスケートの宇野昌磨(18)=中京大=は、2年後の2018年平昌冬季五輪で初出場と表彰台への期待がかかる。シニアデビューした15―16シーズンは、GPファイナルで3位となり、3大陸対抗戦では国際スケート連盟の公認大会で、史上初めて4回転フリップジャンプを成功。飛躍のシニア1年目を終えた今、目指しているのは、記録や数字を超えた先にある演技だという。

 シャイな18歳は、ひとたび氷上に上がれば豹変(ひょうへん)する。少年の透明感と大人の色気が共存する「宇野ワールド」は、見る者をくぎ付けにした。シニアデビューを果たした15―16年シーズンは、GPファイナルで3位に躍進。羽生結弦時代に食い込み、引き継ぐ「次世代エース」と呼ぶ人も多い。

 「シニアの先輩方との差が明確でした。表現の部分が特に、今のままではダメだなってすごく思ったので。オフにジャンプ以外のことも重点的に練習したいな、って思いました」。語る瞳は輝き、来季への期待を抱かせる。

 初出場7位に終わり涙を流した世界選手権(米ボストン)から3週後に行われた、3大陸対抗戦「コーセー・チームチャレンジカップ」(4月、米ワシントン州スポケーン)で世界を驚かせた。史上初の4回転フリップジャンプに成功した。世界選手権3日後に練習を始めて、その日のうちに着氷。なんと開始30分で跳べてしまったという。

 「最初は怖かったので、少しずつ回していくという感じだったんですけど。でも、もうちょっと回るって練習していたら、最後まで回り切りました。(フリップとの比較で難易度が高くない)ループやサルコーを跳んでいる時は、なんか、しっくりこないというか。もっと力が出せそうなのに出し切れていない感じがあったんですけど、フリップに関しては、自分の力が全部有効に使えている感触がありました」

 歴史に名を刻んだスケーターには、運命の出会いがあった。フィギュアスケートを始めたのは5歳の頃。遊びに行ったスケートリンクで、当時中学生だった浅田真央に“スカウト”された。

 「真央ちゃんと遊んでもらったんです。教室が終わる頃にフィギュアかアイスホッケーかスピードスケートどれやりますか?っていう案内が届いて。『真央ちゃんと同じのをやりたい』って言ってフィギュアスケートを選びました」

 ダンス、水泳、テニス。ゴルフも2歳半でクラブを握った。幼少時代に多くのスポーツを経験済みだったが、フィギュアは他の競技と違ったという。

 「『滑る』というただそれだけの感覚が楽しくてならなかった」

 陸上では味わえない氷上の感覚。非日常の虜(とりこ)になった。帰る直前に転倒し、氷に思い切り頭を打ったこともある。それでも父に「行きたい行きたい」と次をねだった。表現力は宇野の魅力の一つ。しかし「ダンスとバレエは、ほんっとうに嫌いでした。恥ずかしいんですよ、すごい」というのだから意外だ。

 「最近は、地上でも少し踊れるようになりましたけど、1年前は地上で踊るなんて『絶対無理』っていう感じでした。氷の上なら恥ずかしいことじゃないっていうのがあるのですが、地上で踊るっていうのはなんか、恥ずかしい。人に見られるっていうのが嫌で」

 スケートから離れようと思ったことは一度もない。「やめるっていう選択肢は自分にはないですね」。子供の頃からそうだった。父に「やめたいと思ったことないの?」と聞かれた時「やめて何やるの?」と返したほどだ。

 子供の頃から周囲の目標は「五輪に出て金メダルを取る」。それが自然だと思っていた。ただ、今は違った考えも浮かぶ。

 「本当に五輪で成績を残したいというのもあるんですけど、それ以上に、そこがゴールじゃないというふうに思っています。試合で成績を残すのもすごいうれしいことですし、やらなきゃならないことだと思うんですけど、五輪に出て金メダルを取っても、記録に残っても記憶に残らない選手にはなりたくないなって、今すごい思っています。僕の演技で、人の気持ちを動かせられるような選手になりたい」

 2006年全日本選手権で高橋大輔さんの「オペラ座の怪人」を見たときに、魂を揺さぶられた。

 「純粋にすごいなっていう気持ちから。こんなふうになりたいって思って、憧れになりました」

 記憶にもしっかりと残るスケーターになりたい。今秋には平昌五輪プレシーズンが始まる。初五輪での表彰台へ周囲の期待は高まるばかりだが、宇野は冷静に向き合っている。

 「もうあと2年なんだっていうのはありますけど、う~ん…あんまり…。ちょっと前までずっとテレビで見る方だったので。その舞台に立てたらどんな気持ちなのかな?っていうのは思いますけど」

 ソチ五輪はテレビで見た。羽生結弦の金メダル。

 「2年前ぐらいにジュニアで一緒に戦っていた選手だったよなあって。この2年間でどれだけ成長したんだろうって思いました。良いお手本の選手が近くにいるので、いつか追いつき同じレベルで戦いたい」

 リンクを降りれば普通の大学生だ。息抜きはゲーム。「ハースストーン」というカードゲームがお気に入りだとか。ただ、そこでも負けず嫌いの血は騒ぐ。

 「ゲームの世界でも上を目指してしまう(笑い)。より強くなりたいなって、より上を目指して毎日やっています。頭の中はゲームかスケートしかないです」

 欲しいものは、これといってないという。スケートにも通じる考え方だ。過程を大事にしたい。

 「簡単に手にしたら面白くないなっていうのがあるので。簡単に手にしただけじゃ、たとえそれで成績を残しても全然納得いかないと思うし。やはり、コツコツコツコツやって成果を残した時が一番うれしく思います。その瞬間のために、毎日練習しています」

 宇野の頭の中には、どんな来季のイメージが広がっているのだろうか?

 「また来年も成長できる年にしたいと思っています。結果を残したいというより、成長したと言える一年にしたい。演技していて、まだここが雑だなと思うところだったり、まだここが下手だなっていうところがたくさんある。ということは、自分が求めている基準はもっと上なんだなと思うので。まだまだ『上』はあるかなと思います」

 「かなりのマイペース」を自任する。大きく先を見すえた目標を立てることは苦手。「一歩一歩」で、ここまで来た。一瞬を大切にしながら、宇野昌磨は今を必死に生きていく。

(ペン・高木 恵、カメラ・酒井 悠一)

 ◆宇野 昌磨(うの・しょうま)1997年12月17日、名古屋市生まれ。18歳。14―15シーズンはジュニアGPフ位で競われたフランス杯は優勝。自己ベストは276・79点(15年GPファイナル)。身長159センチ。

翼翼翼翼翼翼翼翼翼赤ばら翼翼翼翼翼翼翼翼翼

スポーツ報知の記事なのかな?
写真は同じだよね。

おしゃれなのかもしれないけど、ちょっとおっさんくさい(笑)
しょーまは可愛い、はっきりした顔立ちだからきれいな色が似合うのにな。大抵の色やデザインに負けないと思うんだよね。
私服しょーまももっと見たいですラブラブ


マイペースというけれど、負けず嫌いでコツコツ努力するしょーま。新シーズンは更に成長した姿を魅せてくれるでしょうルンルン


記事、画像は全てお借りしています。
ありがとうございます!