### 益子焼が彩る旅の味わい「峠の釜めし」🍱

旅の楽しみの一つと言えば、その土地ならではの美味しい駅弁。中でも群馬県横川駅発の「峠の釜めし」は、多くの旅人に愛される人気の駅弁です。その大きな魅力の一つが、なんといっても益子焼の土釜にあります。この重くて温もりある土釜は、栃木県の代表的な焼き物「益子焼」から生まれました。今回は、その誕生秘話を、土釜の製造を手掛ける株式会社つかもとへ訪れて探ってみました。

 

 

### 益子焼と「峠の釜めし」の出会い🚂

益子焼で知られる株式会社つかもとは、1864年創業の益子最大の窯元です。かつて益子焼は台所用品を中心に製造していましたが、時代の変化と共に苦境に立たされていました。そんな中、つかもとの四代目社長夫人・塚本シゲが主導して、新しい試みとして益子焼の土釜を使った弁当容器「釜っこ」を考案。この土釜が「峠の釜めし」として世に出るきっかけとなりました。

 

 

### 土釜から始まる益子焼の新たな一歩🔥

益子焼の土釜が駅弁容器として採用されたのは、偶然にも横川駅での出会いがあったからです。横川駅で停車時間が長かったため、その場で温かい弁当を提供したいと考えていた「おぎのや」が、保温性と耐久性に優れた益子焼の土釜に目をつけたのです。この出会いが、益子焼の窯元に新たな活路を開き、益子焼全体を支える大ヒット商品「峠の釜めし」を生み出しました。

 

 

### 益子焼の伝統を未来へつなぐ🌱

株式会社つかもとでは、峠の釜めしの土釜を製造する一方で、時代に合わせた新しい商品開発にも取り組んでいます。「kamacco(かまっこ)」などの新商品は、益子焼の伝統を大切にしながらも、現代の生活に合った機能性を持たせた製品。これらの努力は、益子焼をより多くの人に知ってもらい、地元益子を盛り上げるために欠かせないものです。

 

 

峠の釜めしと益子焼の土釜には、ただの容器以上の物語が込められています。伝統を守りつつも時代に合わせて変化する益子焼の姿勢は、私たちに多くのことを教えてくれます。次に峠の釜めしを手にする時は、その土釜をもう一度見つめ直してみてください。そこには、益子焼の職人たちの熱い思いと、時を超えて受け継がれています