母の巻き爪の処置のため整形外科に付き添った翌日、老健からまた電話があった。

昨日の今日なので、処置の予後がよくないのか。もう一度整形外科に行くのは正直気が重い、などと思いながら電話を取ると、思いがけない内容だった。今朝の健康チェックで心拍数が低かったので様子を見ていたが、改善しないため心電図をとったら異常が出たとのこと。老健の担当医は病院での診察が必要と判断したので来てほしいという話だった。老健からは救急車で病院に向かうというので病院で合流することにする。

大慌てで病院に行くと救急車はまだ到着していなかった。病院は2年前にむくみと蜂窩織炎で入院したところなので多少勝手はわかっている。休日だったので、警備室のインターホンを押して救急の待合室で待たせてもらう。

 

ほどなく救急車は到着。老健の看護師さんが付き添ってくれていた。母は処置室へ。老健の看護師さんによると心拍数が20-30くらいだったらしい。通常は50-60くらいなので、かなり低い。しかしそれが何を意味するのかすら私にはよくわからず、とりあえず待合室でひたすら待つ。その間に入院関係の書類やら同意書やら数々の書類を記入。家族にLINEで事情を連絡。

 

2-3時間経ったところで、担当の医師から病状の説明があった。病名は完全房室ブロック。心臓内の電気回路の一部が機能不全を起こし、心不全の状態にあるとのこと。心拍数が減り、失神や呼吸困難の恐れもあるとのこと。若い救急医の先生が簡単な心電図の絵をかいて丁寧に説明してくれる。治療としてはペースメーカーを入れる手術。何もしなければ、このまま少しずつ状態が悪くなっていき最悪の場合今日明日にもということもあるという。ただ、幸いにも処置を終えた母は、心拍数は低いものの、特にどこも痛くないし苦しくもない。酸素吸入をしながら「私どうしたの?ここどこ?」と尋ねていた。

 

昨日会ったばかりの母が、今日明日をも知れぬ命とは。どうするかの決断は急がなくてはならないとのこと。家族と相談したいので、少しだけ時間がほしいと担当医にお願いした。

 

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