使用期限間近の無料ポイントを使おうと、軽い気持ちで入った映画。
真正面から「老人の性」を扱った結構衝撃的な内容だった。
高齢者専用の売春組織「ティー・ガールズ」を運営する若い女性マナと若者たち、
そこで働くティー・ガールズと呼ばれるコールガールも高齢者。
高齢者も若者もそれぞれに孤独を抱え、痛みや弱みを持ちながら、
家族のように身を寄せて過ごしている。
2013年10月に実際に起きた高齢者売春クラブ摘発のニュースに
着想を得て生まれた映画らしい。
高齢者専用のデリバリーヘルスといった感じ。
デリバリーヘルスと売春、どこに区切りがあるのかよくわからないが・・・。
映画の中では高齢者施設(老人ホーム)の入居者からも
ティー・ガールズのリクエストが相次いでいた。
「老人って縁側でひなたぼっこしているイメージでしょ」
というようなセリフがあったが、現実はもっと生々しいものなのかもしれない。
女性の介護スタッフの体を触ってくる老人が多いという話はよく聞くし、
性的なものではなくとも、肌の触れ合いや温かさを求めているのかもしれない。
孤独な高齢者が増えていることは紛れもない事実。
そしてわたし自身も含めて、高齢者は今後はもっともっと増えていく。
そんなわけで、シニアを題材にした映画も増えてきている。
最近では「PLAN75」「百花」など。
長すぎる老後・・・目をそらすことのできない現実が
確実に近づいてくるのをしみじみと感じて少し恐ろしくなった。
映画の最後のシーン。
ティー・ガールズを利用して表情も明るくなった利用者の男性が
少しおしゃれな服に着替えて、ティー・ガールズに電話する。
が、会社は摘発された後で「現在使われておりません」のアナウンス。
呆然と立ち尽くすうしろ姿。
彼のその後を想像して、胸が痛くなった。