どうも。なんとか現在放送中の「進撃の巨人」final season part2の感想に追いつくかも知れないです。まぁ追いつくも何も、原作は連載・単行本発売も終了していますが、こちらではアニメ準拠でネタバレしていきます。原作との対比をしている方々は沢山おられるので、探して見るのもいいでしょう。

 

♯77(f2♯18) 騙し討ち(だましうち)

 パート2に入り二話目のこの回、アバンでは一回目の復習から始まります(マーレ編に入った時ほどの衝撃ではないけど)。エレンを助けに行くかどうか、同期104期生たちがそれぞれに悩むところ。アルミンはあれだけ殴られたけれど冷静に、エレンには考えがあるはずと語る。ジャンは「訓練兵時代から奴は危険だと言ってきたんだ…でも、カッコよかった」コニーは「死んじまったら、殴ることも出来ないからな」と、それぞれに不器用な親密さを醸し出す。ただ、ミカサだけはアルミンになんと言われても、まだショックから立ち直ってない…

 

 黒い布を巻いたナイルが、向かいのファルコに話しかける。マーレが助けに来たという言葉を、否定するファルコ。ナイルは妻や娘とは再会出来ないだろうとつぶやき… 四人の104期生は、スルマ(109期生でキース教官をボコった奴)を恫喝し、手分けして脊髄液を服用した人たちを開放する。ピクシス司令は白い布の兵士優先に立体機動装置を配り、黒・赤布は自分に続けと指示。マフラーを置いていくミカサの胸中は… 四人が目にしたのは、ジークの投石により火を放ち墜落していく五隻の飛行船と、歓喜の笑顔でそれを見上げるイェレナの姿だった。

 

「今助けるのは、ライナーか?」混乱するコニー(わかる~)。「兵長がジークを自由にするはずがない、兵長とハンジさんはどうした!」ジャンの問いに当たり前だと言わんばかりに「敗れたのでしょう」と、彼らの死を提示されさすがにビビる四人。アルミンが取り繕う時の、イェレナの変顔は見もの。

 一方コルトはガビへ、撤退用の飛行船に向かうよう促すが、自分の為に巻き込まれたファルコを置いて逃げることは出来ないと少女は言い切る。建物から出てきた兵士たちの中にファルコを見つけるが、同時にナイルにも見つかる。「兄です…」とつぶやくファルコを連れて歩みよるナイルに向けようとする銃を、ガビが止める。そして…「子供は家に帰れ」と引き渡し、片手を上げてナイルは去った。

 抱き合って再会を喜ぶグライス兄弟、そこにブラウス一家が通りかかり、三人は屋内に隠れる。ベンとミアの行方を心配するブラウス夫妻の優しい声、そして「殺してやりたい」と憎悪をつぶやくカヤ。駆け込んだ民家には、空になった鳥かごが散乱している。強制退去を命じられた住人が、鳥たちを放ったのだろうか。

「悪魔なんて、どこにもいなかった…ただ、人が住んでいただけ」と、ガビは言う。コルトは、敵を前に銃を押さえたり、戦士候補生らしからぬことを言うガビに驚く。そんな彼女を救うようにファルコはエレンに利用されレベリオ区襲撃に加担した自分は、ウドとゾフィアの死に責任があると明かした上で、ガビに「好きだ」と告白する。ジークの脊髄液を口にした自分は、いつ巨人化するか分からない、ガビに長生きして欲しくて戦士を目指していたと打ち明ける。その時ガビは…ファルコの左腕の黒い布を引きちぎった。ファルコがマーレの腕章を奪った時のように。そして、ジークに事情を話せば叫びを止めてくれるかもとコルトが提案し、三人は獣の巨人の元へ向かう。

 壁の上の猿…じゃなくてジークは、ピークの方を見遣る。車力の巨人は白骨化していた。フロックたちイェーガー派の攻撃に負けたのか…相容れなくて残念だとしんみりするジークだが、これが渾身の騙し討ち。巨人化解除の蒸気発散を目くらましにし、対巨人砲の弾丸は、獣の巨人のうなじを吹き飛ばす。50メートルの壁から落ちるジーク。だが、絶命は確認できない。「死亡を確認出来なければ、奴は必ず『叫び』を使うぞ!」マガト元帥は追撃を命じるが…

 

♯78(f2♯19) 兄と弟

 ジークとの接触を図るエレンは、ポルコ巨人を痛めつけ、弾き飛ばす。市街地ではマーレ兵とエルディア兵が銃で撃ち合い、殺し合っていた。マーレ兵は民家の中にも潜み、ミカサたち四人も身を隠す状態。「敵の背後に回り込め!」馬を駆るピクシスの言葉に、四人も賛同し移動する。

 やっぱり生きていて「叫び」を使おうとするジークの前に、コルトとファルコの兄弟が現れた。弟が脊髄液を飲んでしまったことを話し「あんたの考えは分からないけど、あんたに死ねと言うわけじゃない。ファルコが影響を受けない場所まで逃げてからにして欲しいんだ!」馬に乗って、ガビも登場した(たずなさばきは覚束ないが、ブラウス厩舎でよく学んだみたいださすが優等生)。事情を知り、心情を理解しながらも「残念だ…」と放ち、叫びを用いるジーク。シガンシナ区全域に巨人化の光が炸裂する。ピクシスは…うっとりとその瞬間を受け入れた。ナイルたちも、覚悟はしていたが愕然とする。最期まで弟を抱きしめていたコルト。ガビはコルトの焼死体を見た後、ライナーのうなじを狙うファルコ巨人に絶望を抑えられない。エレン巨人とファルコ巨人両方の相手が出来ないライナーは、ポルコに触れ、ポルコは兄マルセルが自分の為にライナーを持ち上げていた事実を知る。どの道あと二年の寿命だからと、ファルコに鎧の巨人を継がせる決意をするライナーだが、ポルコが遮る。再生能力も失った自分だが、無駄死にはしないとほくそえみ、ファルコに喰われた。ライナーへの敵意、短絡的で粗暴な態度、でも不敵な表情で、顎の力を継承した。調査兵団の、自由の翼の制服を着たまま。

 エレンは自身とライナーを硬質化し、うなじから抜け出てジークの元に走る。あと一歩のところで、コルトの対巨人用ライフルを発射させたガビは、エレンの首を弾き飛ばす。本当にこの子は反射神経が凄いというか、そのタイミングを逃さないというか。

 

 マーレで再会した時、ジークはエレンに野球ボールを放った。接触は出来ないけれど、これが兄弟の証…になるはずだった。エレンはボールを落としたのを、足を負傷しているからと語ったが、お兄ちゃんとしてはもちろん気になる。そして今、エレンの生首(エグいよまったく)をナイスキャッチしたジークは、ユミルの民が共通して持つ、道というか座標で始祖ユミルという少女と共にエレンを待っていた。改めて「エルディア人安楽死計画」を命じるジークに「悪いが兄さん、それは出来ない」と返すエレンを翻意させるため、ジークは弟をグリシャの洗脳から解くための、記憶ツアーに連行する…

 コルトとファルコのグライス兄弟、マルセルとポルコのガリア―ド兄弟、そしてイェーガー兄弟。三組の兄弟のそれぞれの成り行きを提示したこの話数。エレンを救おうとするジークと、腹の底が見えないエレン、どちらが始祖ユミルちゃんの心をつかむのか!兄弟絡みの三角関係は物語のド定番ですねっ(ちょっと違う)。兵団上層部の巨人化、それと向き合う104期生たち、そしてイェーガー派や義勇兵たちの動き… ますます混沌とする「進撃の巨人」。ぶっちゃけ結末は知ってるんですが(ネタバレの嵐を避けきれなかった)、アニメの演出がどうなるのか、ドキドキしながら見ています(本当に心臓に悪いよ、分かって見てるんだけど)。