待ちに待っていたこの日がついにやってきた。蒼天航路のテレビアニメ放送開始だ。

私はコミックで蒼天航路を読んで以来、少年の時に読んであれほどハマっていたはずの横山光輝の三国志が物足りないと感じていた。私が大人になったからというのもあると思うが、横山光輝の三国志は淡々としていて入門としては良いのだが感情移入が難しい面もあった。人物の描き方自体も、顔はほとんど同じで服とヒゲだけで見分けるみたいな、クジャクの羽根がついてるから呂布みたいな、そんなドライな部分があったのも事実だ。

一方で蒼天航路は三国志の登場人物を実に人間くさく描いている。曹操のバッファローマンみたいな頬の筋や呂布のヘアースタイル、孔明の瞳などはとても印象的で、表情も豊か。そして横山三国志ではあまり描かれなかった細かいエピソードを丁寧に描き、彼らの人間性を巧みに表現している。人によっては過剰な演出と感じる向きもあるだろうが、既にいい年だった私をしてドキドキさせてくれたのは事実だ。私はこの作品をアニメ化してほしいと常々思っていた。

蒼天航路はわりとアダルトな表現や残酷な描写が多いので深夜放送なのかもしれないが、完全に夜型人間の私にとってはまさにうってつけの環境、というか私のように横山三国志にハマったアラサー男がまさにコアターゲットなのだろう。これはもう、毎週欠かさず見なければならない。
レッドクリフで三国志の魅力を初めて知ったという方であっても、あなたが大人だったら蒼天航路は楽しめると思う。おすすめ。

春の番組編成の時期は実験番組や枠埋めのためのテキトーな番組が多いように感じる。そして4月になると「結局そんな風に落ち着いたのね」とやや冷めた感じになるここ数年だったが、久しぶりに興奮させられる春になった。

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