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毎年3月末ごろになると、沢山の特番が組まれレギュラー番組が「なり」を潜める。
私はいつもの番組が見られないのが寂しかったり、特番がつまらないと感じることが少なくないため、あまりこの時期が好きではない。しかし「世にも奇妙な物語」が放送されることを知ると、どうあっても私は見てしまう。

もともと私は軽いオムニバスが好きなのだが、世にも奇妙な物語を見ていると、それぞれのストーリーをもっとふくらませて、1時間くらいに引き延ばしてくれないかと思うこともある。各々、粒ぞろいでもっと見たいと感じる。
そして毎回、最終話にほろりとさせるストーリーで締めるあたりも心憎い。

いつもこの番組は私に非常に深い印象を与えてくれるのだが、ここ数年内であれば中村獅童主演の「遠すぎた男」や、田中美佐子の「家族会議」、堂本光一の「昨日公園」といったあたりが思い出される。そしてなんといっても私がおすすめするのは、酒井敏也の「イマキヨさん」だ。これはたぶん一生忘れないw
もし機会があれば是非見てみてください。

ところで世にも奇妙な物語は、番組の作りから見て明らかにトワイライトゾーンを意識していると思われる。
私自身はトワイライトゾーンをあまり見ていないが、原作となっているミステリーゾーンは何度も読み返した。先日放送分の最終話「回想電車」などは、非常にミステリーゾーン色が強いと感じる。

少しだけアンチテーゼを盛り込んだり、寓話調に仕立て上げられた作品は、星新一のショートショートを思い起こさせることもある。先日の放送分では「才能玉」に強く星新一の風味を感じた。

思えば、私にとって読書の入り口は星新一のショートショートだった。そしてミステリーゾーンを何度も読み返した私にとって、世にも奇妙な物語はストライクゾーンど真ん中なのだと思う。

その後私の読書傾向はどんどん分厚い本に向かっていったが、やはり上で紹介したようなアイデアが光る短い作品も時々はいいものだと思う。
疲れているからあまり集中したくないが、退屈なのはゴメンだ!というわがままな欲求を満たしてくれるのが星新一であり、ミステリーゾーンであり、世にも奇妙な物語なのだ。

ただし、中にはほとんど同じ話じゃないかと突っ込みを入れたくなる作品もありますね。ある意味で世の中に存在する物語の類型というものが、思ったほど多くない証拠かもしれないと思います。