鈴木先生[第4回]|臼田あさ美はSPECなのか | テレビドラマに夢中!

鈴木先生[第4回]|臼田あさ美はSPECなのか

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2011年4月25日 -(10回)
月曜日22:00 - 22:54(54分)
脚本 - 古沢良太、岩下悠子
演出 - 河合勇人、橋本光二郎、滝本憲吾
音楽 - 大友良英
サウンドコーディネイト - 志田博英
技術協力 - オムニバスジャパン
美術協力 - アートインプレッション、俳優座劇場、アートワークス
照明協力- 三和プロライト
編集・MA- アクティブ・シネ・クラブ
スタジオ- 日活撮影所
プロデューサー - 山鹿達也、阿部真士、豊島雅郎、竹内文恵、守屋圭一郎
制作協力 - ROBOT
制作 - テレビ東京、アスミック・エース
オープニングテーマ - ROCK'A'TRENCH「光射す方へ」(ワーナーミュージック・ジャパン)
エンディングテーマ - 馬場俊英「僕が僕であるために」(ワーナーミュージック・ジャパン)オフィシャルサイト:http://www.tv-tokyo.co.jp/suzukisensei/

* cast
鈴木章 - 長谷川博己
秦麻美 - 臼田あさ美
山崎潔史 - 山口智充
桃井里香 - 田畑智子
足子瞳 - 富田靖子
川野達郎 - でんでん
江本源三 - 赤堀雅秋

2-Aの生徒(出席番号)
 01 東 潤也 - 影山樹生弥 
 02 阿部悠貴 - 内田純
 03 出水正 - 北村匠海
 04 入江沙季 - 松本花奈
 05 太田ルミ - 鈴木米香
 06 小川蘇美 - 土屋太鳳
 07 桂 チカ - 中西夢乃
 08 樺山あきら - 三浦透子
 09 河辺彩香 - 小野花梨
 10 岸 茜 - 澤田優花
 11 小菅小夜子 - 森野あすか
 12 駒井駿司 - 三宅史
 13 紺野徹平 - 齋藤隆成
 14 竹地公彦 - 藤原薫
 15 丹沢 栞 - 馬渕有咲
 16 土田理沙 - 山口愛
 17 椿 美久 - 安田彩奈
 18 藤山高志 - 桑代貴明
 19 徳永 雫 - 吉永アユリ
 20 戸塚尚之 - 伊藤凌
 21 中村加奈 - 未来穂香
 22 梨本くるみ - 久本愛実
 23 新見 葵 - 福地亜紗美
 24 野呂光輝 - 小山耀
 25 長谷部哲 - 中島和也
 26 浜口航太 - 西本銀二郎
 27 福田千夏 - 鈴木梨花
 28 堀の内七海 - 松岡茉優
 29 松野ユキ - 田中明
 30 岬 勇気 - 西井幸人
 31 本木聡馬 - 中澤耀介
 32 森 大雅 - 米本来輝
 33 山口克己 - 清水尚弥
 34 横関康輔 - 岡駿斗
 35 吉井丈志 - 下


テレビドラマに夢中!-鈴木先生

昼休みに響き渡った悲鳴に駆けつけた鈴木先生は、血を流して倒れる中村とコンパスを握りしめて立ち尽くす竹地を目にする。何が起こったのか。竹地は成績優秀で快活、博識・雄弁だが、自尊心が強く人を見下す傾向がある。「小川に好きな人がいる」という話をを聞いた竹地は小川が好きなのは自分だと思い込んでいた。2Aでは竹地の他に紺野、藤山、出水、横関の男子5人が小川をめぐり火花を散らせていた。鈴木先生はそこにいるはずのない麻美の姿を見る。昼休み、小川の気を引こうとトイレで作戦を立てていた竹地は、中村にトイレが長いと責められる。竹地はムキになって否定し、教室に戻り、小川の気を引こうと紺野が今朝長靴を履いて登校してきたことをネタに笑いをとろうとするのが…。




前回の破壊力がすさまじかっただけに今回は題材的には地味である。
そりゃそーだよね、という視聴者も予想しているわけだが、
これならどうだ!と言わんばかりの詰め方でオリジナリティを主張する展開で、
今回も目を離せなかった。
「学校のトイレでウンコ恥ずかしい」
「母親に言われて長靴で登校、恥ずかしい」
「面白いことを言って好きな女の子の気を惹きたい」
というだけの話なのだが、ここまで面白くできるのかと感心。

雷鳴が轟く昼休み、脇腹から血を流す女子とコンパスの針を手にしている男子、
というドラマチックな導入から、時間を戻して事実を描写していく構成。
前回はそうでもなかったが、論理の積み重ねがこのドラマの特徴である。
と書くと、また鈴木メソッドによる大岡裁きかと思うが、
今回は長谷川博己はひたすら黙って座っているだけだ。
好きな女の子を笑わせようと、友達の長靴をしつこくからかっているところを、
自分もウンコをしてたくせにと女子にバラされ、
かっとなって突き飛ばし、たまたま床に落ちていたコンパスでケガさせてしまった男子。
どうしても自分の非を認めず、皆の前で演説することになる。
しかし「好きな女の子を笑わせようと」という部分を説明できないために、
演説は支離滅裂になり、結局は「好きな女の子」にもそれを知られ、
なおかつクラスの全員から「お前のウンコのことなんてどうでもいい」と思われ、
しかもその女の子も長靴で来ていたことを知って、
自己正当化は完全に失敗して、生徒は真っ青になって嘔吐してしまう。
“最悪”だ、と談話室で突っ伏したまま動かない生徒に向かって、
長谷川博己は「最悪だなんて言うなよ」と励ますのだが、
しかしその後、職場の外で待ち伏せた臼田あさ美が、
土屋太鳳をめぐる長谷川の妄想を正確に言い当てる驚くべきシーンが挟まる。
これはまた夢オチ?と思ってしまうのだが、そうではなく、
ショックを受けた長谷川は自分のアパートに逃げこみ、
台所のシンクに顔を突っ込んで「最悪だ」とつぶやくのである。
臼田あさ美はその前にも学校校舎に現れて長谷川を糾弾したりしていたのだが、
あれも全部長谷川の幻視ではなく、SPECだということなのだろうか。

一方で、富田靖子にも危ういものを感じる。
富田は生徒の覚醒を目指す鈴木メソッドに危険なものを感じ、
長谷川博己との対決の流れが作られつつある。

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