巨人の星(再放送)[第173~174回]|壊れたピッチングマシン&白い血の秘密
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第173回★壊れたピッチングマシン
オズマの不幸な死をきっかけとするように、「巨人の星」は悲劇へと大きく舵を切る
(実際は、オズマのエピソードはテレビオリジナルだそうだから、
悲劇としての結末へ向かう端緒として、オズマのエピソードが挿入されたのである)
花形は投手を並ばせ、
「星と同じ球を投げろとは言わんが、星になったつもりで投げてくれ」と無理な要求
普通に投げれば「速すぎる!」と文句を言い、ワンバウンドすれば「遅すぎて届かん!」とまた文句
それでは大リーグボール3号を投げろというのと同じである
「構わんっ! 俺がぶっ倒れるまで投げ続けてくれ!」
いや、投手の方が先に倒れるから…ww
僕の特訓がムダだというんですかっと逆ギレ
村山監督から、精密機械か星本人にしかそんな球は投げられへんで、と言われて、
そうだ!とひらめいた花形、親の会社の研究室にまたしても無理な依頼
大袈裟な機械が完成した
射出されたスローボールは、たしかにバットを避けるのであった
花形はここぞとばかり、弱いスイングを試したりバントしてみたり、いろいろ実験
大根切り打法
ノックアウト打法と花形は言っているが、
守備の選手に飛ばすからノックアウト打法なんじゃなかったっけ…?
しかし…
もし、まったく同じ理論で星投手が投げているのだとしたら…と技師は蒼ざめる
それでは星は!
そしてデーゲーム、巨人-阪神戦
打席に立った花形は、クールすぎる飛雄馬に違和感をおぼえる
その沈みきった眼は…
「本来ならば長年通いあった炎の流れが燃え盛るはず! なのになぜ!」
花形はとりあえずバントを打ってみせ、一塁手・王に刺される
2打席目、花形はノックアウト打法を見せる
打球は三塁方面へのライナー、長嶋は弾くが、飛雄馬が辛くもキャッチ
疑いのない事実が証明された!
大リーグボール3号は、かつての甲子園の血染めのボールそのままだ
星は血染めだ、血まみれだっ
第174回★白い血の秘密
飛雄馬は阪神にも勝ち、8連勝となるが…
不機嫌そのもの
イタイ…
飛雄馬が断ったので、代わりに花形がインタビュー席に引っ張り出される
花形が語り始めたのは甲子園の血染めの決勝戦の話だった
「すると、今度も星はどこか負傷していると?」
「今度のは赤い血じゃない、眼に見えない、白い血です」
飛雄馬の無感動な様子から、甲子園のような敢闘精神を失ったのかと訝った花形は、
ノックアウト打法で飛雄馬が見せたファインプレーに、破滅のにおいを嗅いだのだった
詩的な表現すぎてアナウンサーにはちんぷんかんぷんのはずだが、
そういえば…と、左門の「勝利投手の顔じゃなかとです」という言葉を紹介する
ええーい、何をほざく!
むしゃくしゃするわい!と素振りをする伴であった
一方、ぬる風呂で腕を冷やす飛雄馬
花形の言葉に不安を感じた川上と中尾は飛雄馬を呼び出す
「お前、身体の異常はないんだろうな?」
次の後楽園シリーズは安めと川上は言うが、一晩寝れば回復します、と飛雄馬は言うことを聞かない
(白い血、破滅…余計なことを言って俺の青写真を狂わせないでくれ!)
クラウンマンションに戻るとドアの前で心配した伴が待っていた
飛雄馬はとくに嬉しそうな顔も見せず、
「人の心配をするぐらいなら素振りの1本もやるんだな、
そうでないと俺のサブマリン投法には勝てないぜ」と追い返してしまう
この回から、急に「サブマリン投法」という言い方が出てきたが、
これはアンダースローという言葉が和製英語だからだろうか
wikipediaにはこう書いてある
「股関節や膝関節をうまく使うことが出来ず、しかし伴が帰ると…
体幹のみを極端に屈曲させるフォームになってしまうと、
前鋸筋筋膜炎を起こしたり、ひどい場合には肋骨にひびが入ったり疲労骨折することもある」
その夜も飛雄馬は完投する
痛みに思わず膝をつく飛雄馬
しかしすぐ立ち上がると「なんでもありません」とマウンドを降りる
勝利インタビューで「星の大リーグボール3号は本物ですね」と訊かれた川上、
「そうね、そういうことになりますな」と浮かぬ返事
「次の中日戦も、やはり星の登板になりますか?」
「この連投で星もかなり疲れているようだが…」
「疲れているようだが、何です?」
「本人がやる気十分だからね、もはや星の今の必死の勢いを止めることはできんでしょうね」
「えっ、何とおっしゃいました?」
「いやいや、やはり星の連投ということに、まあ、なりますかな」
煮えきらない川上の言葉は、飛雄馬の死の行進を予期しているということなのだろう
飛雄馬が控え室に戻ると、そこに待っていたのは解説者に転身した金田だった
「お前、最近トレーナーに身体を見させんそうやないか」
金田は湾曲した自分の腕を見せると、
「お前、その若さで俺の二の舞をやらかそうとしているのではあるまいな」
(金田さん、俺は行き着くところまで行くしかないんです…)
飛雄馬は痛み止めを求めて病院の門をくぐる
「どこが痛むんだね?」
「腕、腕です…」
「一体どんなことをするとこんなになるんだね…」
レントゲン写真の現像を待って、飛雄馬は待合室のテレビで大洋-中日戦を見る
伴は試合後のインタビューで、飛雄馬との対決によって真の親友になるのだと語っている
(伴よ、その対決まで俺の左腕がもつかどうか怪しくなってきた、診察の結果はかなり暗そうなのだ…)
診察室に呼ばれた飛雄馬は「治療すれば治るのですか」と医師に詰問する
「そりゃ治るよ、必ず治る」
「じゃあ元通りの腕に戻るのですか」
「その可能性もあり得る」
「治らないということも考えられるのですか」
「いや治る、治して見せる」
「じゃあ元通りの腕に…」
会話がぐるぐるしてるwww
君、砕けたガラスのコップが元に戻るかね!
…………
レントゲン写真をとても見ることができず、飛雄馬は金も払わずに出て行く
照明を消された後楽園を訪れた飛雄馬は
たとえドブの中でも前のめりに死ぬんだ!と叫ぶのだった
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161