Mの悲劇[第9~最終回]|因縁は解け、余裕しゃくしゃくの最終回 | テレビドラマに夢中!

Mの悲劇[第9~最終回]|因縁は解け、余裕しゃくしゃくの最終回

2005年1月16日-3月20日
21:00~21:54
TBS
脚本:橋本裕志
プロデューサー:伊佐野英樹・瀬戸口克陽
音楽:菅野祐悟
演出:土井裕泰・石井康晴・山室大輔

* cast
安藤衛:稲垣吾郎
相原美沙:長谷川京子
久保明:佐々木蔵之介
島谷有紀:岡本綾
中西瞳:吉岡美穂
相原亘:柏原収史
安藤礼子:吉行和子
安藤愛子:浅見れいな
大川刑事:佐藤二朗
薮本:渡辺卓
尾崎雄介:大西滝次郎
下柳晃一:成宮寛貴
高山真治:井澤健
島谷龍太郎:伊武雅刀

$テレビドラマに夢中!-Mの悲劇

9:薮本の告白で暴行事件の真相を知った衛は明の部屋に5歳の自分の写真を見つける。明は真治にシバタ電子に入金をするように指示を出す。明のパソコンをチェックした衛はシバタ電子という会社に5000万円を入金していることを発見、慌てて入金をストップさせる。明はちょうど金を引き出そうとしていたが、それができなくなって逃げ出す。シバタ電子は安藤衛の名義で登記されており、衛をはめる罠だった。明は瞳のマンションに向かい、預金通帳を持ち去る。明が『いつも自分の邪魔をする男がいる』と話していたことを瞳から聞かされた衛。明は衛に電話して『お返しだ』『20年前から恨んでいた』『理由は一人で考えろ』と話しているところを美沙に見つかり、さらに現れた尾崎に蹴り倒され、金を奪い取られる。衛と美沙は礼子の家に身を寄せることに。衛はアルバムに明の部屋で見つけたのと同じ写真を発見。自分の横に写っていたのは、両親の保証人として借金を肩代わりした松本の息子『明』だった。一方、島谷に呼び出された美沙は、20年前に両親を喪った事故と島谷との関係を告白される。当時、信用金庫の警備員をしていた島谷は銀行強盗を美沙の両親の店に追いつめ、犯人は火を放って自殺を図り、美沙の両親は焼死したのだった。頭を下げる島谷に、美沙は、私も貴方も被害者だとと告げる。衛は川崎の小学校で、給食費を盗もうとした明が虐められていたことを知る。さらに明の父が何か大事件を起こしたことがわかった時、衛の背後に明の姿が──
10:衛(稲垣吾郎)は明(佐々木蔵之介)の恨みにどう対処するのか。美沙(長谷川京子)はまたもや過去に引き戻されてしまうのか。明はどこまで突き進むのか。衝撃と感動の最終回を、お楽しみに。


最終回近くにいたって、美沙と衛以外にMの頭文字をもつ3人目の人間が判明する。
佐々木蔵之介の演じる久保の名は「松本」だった。(改名したの?)
そして言うまでもなく、Mとは、美沙の携帯にぶら下がるW(亘の頭文字)の逆さ文字でもある。
公式サイトには、Mystery、Man、Mindなどがこじつけられているようだが、
なーんか、なぜ「悲劇」であるのかということの説明がつかないような気がするなあ。
少なくとも前半では、マゾヒズムのMであったはずである。
(前半のハセキョーはとりわけサディスティックに描かれている)

すべての謎は最終回前に明らかになってしまう。
なんと驚くべき狭い世界での出来事で、
泥棒に入られた吉行和子夫婦の連帯保証人として借金を肩代わりしたのが「松本」氏。
その息子が佐々木蔵之介で、
借金を背負った「松本」氏は工場を潰して夜逃げ、
血迷って信用金庫に強盗に入り、伊武雅刀の警備員の目の前で、
ハセキョーの両親を巻き添えに焼身自殺したのだった。
こうなると、そもそもの泥棒も誰だったのか気になってしまうが、
それ以上はさすがに遡らなかった。
プチ因縁ということでは、
吉岡美穂がもともと柏原収史の追っかけだった(それだけなのだ!)、なんてのもあったけど。

で、因縁が解けて、最終回は佐々木蔵之介祭り。
しかしこれは第7回での演技ほどではなく、最終回はかなり時間を余してしまったので、
衛と美沙の別れが何度も繰り返されることになった。
海岸に現れた亘と再開する夢を見る美沙、
亘に別れを告げるために実際に海岸を訪れ、同じように現れた衛。
(携帯に登録されたWataruとMamoruは韻を踏んでいるのだろう、
 ちなみに美沙もMisaと登録されている)
しかし美沙は「これで本当にさよならですね」。
(あれ? 1,100万円返すとか言ってなかったっけ?)
残された衛は、しかし何か消化不良な面持ちで、
「いつでも僕は君を見守っている。僕はいつでも君の味方だ!」と叫んでしまう。
美沙の頬を流れる涙、しかしそのまま去っていく。
というところで終わるはずなのに、なぜか、「それから1年後」。
プロジェクトの仕切り直し発表会(一社員の不祥事ごときで、1年も中断されてたの?)、
パーティを抜けだして亘の墓参りをする衛、
さらに美沙が働く養護施設を覗きに行き、
そして島谷専務に「遅れるなよ」と言われていた商談へ急ぐ道すがら、
遭遇してしまったのは、チンピラに襲われるサラリーマンの姿!
これは新たなる因縁が、という終わり方である。

たしかに、むかし、サスペンスドラマの命は伏線のうまい張り方にあった。
そのようなサスペンスが廃れて久しいと気づかされるドラマであった。

☆これまでの「Mの悲劇」
第7~8回|くるりと一転(2010-10-)
第5~6回|展開が遅すぎる(2010-10-31)
第3~4回|ダレ場だ~(2010-10-11)
第1~2回|主役ふたりはいまひとつだけど…(2010-10-03)


Mの悲劇 DVD-BOX/稲垣吾郎,長谷川京子,佐々木蔵之介

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