巨人の星(再放送)[第93~94回]|手さぐりの青春&水原監督と父一徹
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第93回★手さぐりの青春
赤坂のマンション、相変わらずエプロン姿でヴェランダに立つ明子
「長屋はどっちかしら…」
「おーい、このテレビはどこへ置くんだ」と伴
最新式のカラーテレビ
「巨人では、一軍選手ですら一人前になるまでは
合宿生活を送る不文律があるのに、こいつときたら…」という伴の心配をよそに、
うーん、いい香りだ♪
「伴も飲めよ」と飛雄馬は気にする様子もない
そこへピンポンと橘ルミが迎えにくる
ハロー、星君♪
「あのう、あなたは?」
「あら、テレビ見てないの?」とルミは自己紹介して、「下の車で待ってるわね」
「なんじゃい、あいつは!」と伴は憤り、「星、お前本当にあんなやつに恋してるのか?」
返答しにくい質問であるwww
いそいそと支度をしていそいそ出かける飛雄馬
もっとましな女はおらんのかい!
「今の飛雄馬はいろんなことを試してみたいのよ」と明子はたしなめる
「遅いわよ!」
「伴よ、俺はオズマが来るまでに人間になっておかなければならないんだ…
だから納得いくまでルミさんに付いて、人間修行に打ち込んでみる」
人間修行www
なんでも特訓にしてしまう飛雄馬である
ルミは急に公園の前で急停止して、歓声をあげてブランコに腰かけ、「星君、押してくれる?」
「このまま空に飛んで行きそうよ!」とはしゃいで、
「戻って来るとき、ルミのおへそがなくなるみたい!」(なんだそりゃwww)
「へそといえば…」と飛雄馬は「昔、父ちゃんのへそ打法にまいったっけなあ…」
あらためて、貧しい野球人生であるwww
次はボウリング場、ルミはスペアをとりそこねて
いやーん、くやしいわー
飛雄馬はすでにボウリングは余裕しゃくしゃくである
(野球なら相手のミスで勝つこともあるが、こいつは自分がすべてだ…)
「楽しそうにしなさいよ、ボウリングはボウリング、野球は野球よ!」
はっ、そうだった!
外へ出ると雪が舞っている
ルミに雪玉を投げられ、
「雪か…雪といえば日本アルプス…」とまた思い出すのは野球のこと
飛雄馬はだんんだんルミについていけなくなる自分を感じる
「ねえ、雪の中を走ってみない?」
「えっ、どこまで?」
「どこまでだっていいのよ――いざさらば雪見に転ぶところまで、ねえ行きましょう、子供になって!」
(驚いたことに、これは芭蕉の句である)
「ようし、今度は本当に捕まえるぞ!」
「待ってよう~」
嬌声をあげる二人を日本スポーツ記者が激写
記事を見た伴「ううーん…」
「このまま放っておくと取り返しのつかないことになるぞ!」
「伴まであんな記事を信じるのか?」
いや本当のことですけどwww
「さっき球団側と話してきた、悪いようにはせんそうだ」
「なんのことだ?」
「とにかく早く更改をしてくれ!」
「会って話そう、君は何か誤解をしている」
「だめだ、今会えば俺はお前を叩きのめしてしまう!」
伴はマンションの前の電話ボックスからかけているのだった
ボックスを出てタクシーの後部座席で腕を組みながら、
「星よ、野球だけは忘れんでくれ、お前は今、危険なところにいるんだぞ!」
立ち尽くす飛雄馬
「心配してくれる気持ちは猛烈に嬉しい、だがルミさんのことと契約更改は別々に考えられないんだ」
明子がさらに階上から見下ろす明子
しかしそれでも飛雄馬の遊び癖は直らない
今度はスケート
「いい線してるわ、星君!」
また記者が…「オッ、いただき!」
見出し「デートは堂々と」
二軍宿舎でも飛雄馬の乱行は噂もちきり
「おい伴、新聞見たか!」と声をかけられて、伴はやけくそで丼飯をかき込む
「でえーい!」
自主トレが始まっても飛雄馬は当然のように欠席
「星、貴様一体何を考えているんじゃい…」
そのころ飛雄馬は…
ルミはスタンドのスポーツ紙に目をとめる
「ねえ、自主テレってなあに?」
「早く言えば、練習のことさ」
「どうして参加しなかったの、知らなかったの?」
「いや…行かないほうがいいのさ」
「どうして? あたしが誘ったから?」
「関係ないよ、ルミさん」
「ほんと? ならいいけど」
マンションの前で別れてから、「変わったわ、星君…」とルミは俯く
飛雄馬の帰宅を待ち構えていた伴、
「貴様、自主トレにも来ないでどういうつもりなんだ! 何も言えないのか!」
「言える!」
「言ってみろ」
「契約未更改のまま参加するくらいなら、やりたいことをやったほうがましだ」
「やりたいこと?」
「そうだ、俺にも若い人並みの青春があるってことを確かめることだ」
伴はほとほと呆れて、「何を言うか、話し合いにも応じなかったくせに」
「なんだって?」
「球団からの呼出状は見なかったのか?」
飛雄馬、手紙の山をひっくり返して、
「あ。あった」
ダラシナイのであるwww
伴に引きずられて、渋々、代表事務所を訪れた飛雄馬
「今日はハンコをもってきただろうね」と代表が提示したのは、前回と同じ6割アップだった
「これじゃ前回と変わりないじゃないですか!」
「その通り。今の君を見てると…ww」
「どういうことですか!」
「よく考えてみるんだな、野球選手にとってオフシーズンとは何か」
「橘ルミのことを言っているんでしょうか、評価はグラウンドだけで十分です!」
飛雄馬は憤然と立ち上がり、
「それに彼女はあなたが考えているような女じゃありません! では!」
代表は「待ちたまえ」と飛雄馬を呼び止め、
「君はこれを読んだのかね」とスポーツ紙を差し出す
「う、うそだっ…!」
部屋を飛び出した飛雄馬の腕を伴がつかむ
「ルミさんの真意がまだわからんのか!」
飛雄馬はハッとして、「俺を野球に戻そうとルミさんは悪者に!」
「そうだ」
「俺は野球人としての自分を見失っていたというのか!」
どう見てもそうじゃんww
「ルミさんと付き合うことで、野球にもプラスするものがあると思っていたのに!」
イヤ、正直ちょっとビミョーだったと思う。。。
一方、オーロラ三人娘の楽屋では――
心配するマキとエミに答えて、
平気よ、人の噂も七十五日って言うでしょと強がるルミ
飛雄馬からの電話にも、「あれは本当のことだもの」と答える
「世界が違うのよ、あたしはスキャンダルを栄養に生きていく世界に生きているのよ」
かっこいいね
さようなら、星君…
気をとり直した飛雄馬は、「明日から自主トレに参加するよ」
伴は大喜びで、「よく言った、それでこそお前だ!」
こうしてルミとの短い付き合いは終わったのである
第94回★水原監督と父一徹
自主トレに戻った飛雄馬だが、やはり体はなまっていた
「星はだいぶ遅れているな」と記者連中、
さて長屋、明子のいない暗い家に帰ってきた一徹
やかんを火にかけ
湯が沸くのを待ち
今日もチキンラーメン
「これとて自分で作れば格別の味だよ」
亡妻の写真に話しかけるのだった
一方、赤坂のマンションでは姉弟が(インスタントだが)コーヒーブレイク
「うーん、自費参加ねえ…」
「心配するなよ、俺は野球に徹する。そして同時に人間になるんだ」
とジャズのレコードをかける
明子は長屋のほうを眺めて、「お父さん、本当に野球を降りてしまったの?」
ラーメンを食べ終わった一徹、寒空の中をまた外出
向かった先は…
中居は一徹の姿を見て思わず「裏へおまわり!」と言うが、
「中日ドラゴンズの人に呼ばれてきたんだが、玄関から入ってはまずいのかな?」
部屋で待っていたのは球団首脳部と水原監督である
(水原…ある意味ではわしのライバルと言えた人…)
「ともかくご用件を伺いたい」
水原が「星さんを男とみこんで…」と言うと、
「ぜひわが中日ドラゴンズのコーチに就任していただきたい」
(なんと…)
代表が出したのは日報スポーツ
(中日スポーツじゃないのかしらん)
燃える水原
一徹の顔に照り返しが…
その頃、飛雄馬は宮崎入りの準備をしていた
「さあ宮崎じゃがんばるぞー! 川上監督を驚かせて給料倍増だ!」
「そううまく行くといいけど…」明子は斜に構えている
料亭夕月に戻って――
中日首脳部は星一徹という人間を日報スポーツを読むまで知らなかったらしい
巨人を蹴られたからにはぜひ中日へ、と代表たちは膝を乗り出す
水原がシベリア帰りの経験を披露する
要するに、シベリアの過酷さに比べれば巨人を倒すのはたやすいということかしらん
「昨年のペナントレースでテールエンドだったことを喩えれば冬」と水原は障子を開け放ち、
「春は来ます、必ず」
「そしてそのとき眠れるドラゴンズは目を覚まして昇龍となる!」
一徹はあっさり引き受け、「ただしひとつだけ条件があります」
オズマを中日に入れ、指導を任せてほしいと言う
「オズマであればこそ、大リーグボールを打倒できる可能性があるのです」
コーチに誘ったくせに、一同は息子を打倒するという一徹の言葉にショックを受ける
話は決まったが、一徹は願掛けがあるからと酒を断って席を立つ
つきあたった中居がその姿に驚いて尻餅をつき、
「お、鬼…」
これも有名なシーンですねー。
翌日――仕事途中で空を見上げる一徹
土方の仕事ももうすぐオサラバ…
「飛雄馬よ、働け!(?) 好きなだけやってみるがいい!
今度はわしも立ち上げる、お前の敵として!
その時になって慌てふためかぬよう思う存分鍛えておけ、いいな飛雄馬!」
何をいばっておるのかww
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161