巨人の星(再放送)[第85~86回]|片目の大リーガー&野球ロボット・オズマ
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第85回★片目の大リーガー
今回、明らかにどうでも良い話である
何かのタイミング合わせ?
まあ、少年時代にくらべれば、ずっと無駄のない展開続きだったわけだが…
カージナルス来日まであと5日
羽田に降り立った外人がミツルハナガタ2000のポスターに足を止める
オウ、ミツル!
彼の名はヘンリー・ジェイムズ(笑)、スポーツジャーナリストである
まず花形の入院先、山の手病院へ向かって、
そこで大リーグボールのことを聞きだす
花形が「あの球はカージナルスでも打てないでしょう」とライバルを自慢すると、
ジェイムズは憤然として、「大りーぐハソンナ甘イモノデハアリマセンヨ!」
そして「ヒューマ・ホシ…」と目を光らせる
次いで多摩川に現れたジェイムズ
再会を喜ぶ伴に「アレガヒューマ・ホシカネ…」
「まさかカージナルスのために視察に来たんで?」
「ソノ必要ハアリマセン、ヒューマ・ホシハ負ケマス!」
翌日のスポーツ紙にでかでかとその発言が載る
「まあアメリカ人なんだからしかたないさ」と暢気顔の飛雄馬だったが、
ジェイムズはその後もしつこく練習を見に訪れる
抗議する伴に「私、ピューマト勝負シテモイイ」とうそぶいたかと思うと、
「今ノハ冗談ヨ…ジャ、バーイ」
面白い人だな、とは飛雄馬の評
気を遣った伴はニューオータニのスイートを訪ねる
(ニューオータニの開業は63年である)
これ以上あれこれ言わないでほしいとジェイムズに頼みこむ
「気持チハワカリマスガ、ダメデスネ!」
「根拠のない発言はやめてほしいと言っておるのだ」
「私ダッテ元大りーがー、大りーぐぼーるナド面子ニカケテ打チマス」
そこまで言うのなら、と伴は勝負の約束をしてしまう
しかも、ドアの外では記者たちが聞き耳を立てていた…
戻って飛雄馬に勝負をしてくれと頼むと、あっさり引き受ける飛雄馬
とにかく今回はやたらと淡々としているのである
飛雄馬の調べによれば、ジェイムズは元ホームラン王であり、
その体面から飛雄馬をくさしているのだろうと思われた
そして夕暮れ、稲光が光る中、記者立会い、記者立会いで勝負が始まる…
いつもの稲光だが、なんだかこれがオザナリなんだww
「イイデスカ、かもん!」
飛雄馬はまず外角に外し、
次にストライク球を投げると、左打ちのジェイムズは大ファイルを打つ
今度は内角ぎりぎりに投げると、なぜか右足をひいて見送り
同じ球を投げてみるとまた足をひく
そこで外角に投げると、またファウルを打つ
これでツースリー、いよいよ大リーグボールを投げるときがきた
勝負!
しかし投げる寸前に方針を変更し、飛雄馬は外角球を投げてしまう
ナゼデスカ!と抗議するジェイムズに、
「あなたに怪我をさせたくなかったからです」と答える飛雄馬
「ホワッツ!?」
「それはあなたの右目が見えていないからです!」
ジェイムズはショボン
「悔シイケド本当デス。私ノ右目、視力ゼロ!」
飛雄馬、内角で足を引くのは左の眼でボールを捉えようとするからだと説明し、
内角に的を絞ったジェイムズに大リーグボールを投げていたら、
間違いなく大怪我になっていたでしょうと言う
…てか、大リーグボールってバットに当てるんだから、関係なくね?www
そもそも、この回のタイトルが「片目の大リーガー」で、
見ているほうは最初から片目と知ってるんですけどww
(こんなタイトルのアニメは今では作れない)
「ヒューマ…君ハ素晴ラシイびっちゃーダ!! 今日ハ、ワタシノ負ケデス…」
ジェイムズは感心して去っていくのだった
そしていよいよカージナルス来日、
タラップから次々と選手が降りてくる羽田まで見にきた飛雄馬たち、そこにはジェイムズの姿も
ジェイムズは「負ケマセンヨ」と言い、飛雄馬は「こっちこそ!」と返す
「デハ、イイ試合ヲ…」「あなたもいい記事を…」
グッバーイ、とまた去っていくジェイムズであった
な ん の 盛 り 上 が り も な い 回であった
第86回★野球ロボット・オズマ
後楽園球場、世界選手権第1戦
ナショナルリーグを優勝したカージナルスとの試合が始まる
「今日ノ第1戦、べすとめんばーデ、カルクイタダク…」
日本語でつぶやくカージナルス監督である
「今日の第1戦、ベストメンバーで軽くいただく、
そう思っているだろうが、そうはいかん」
まるで“さとるの化物”のように敵の心を読む川上であった
先発は飛雄馬である
「アレガ先発ナラ今日ノ試合ハほーむらん競争ネ!」とカージナルスベンチ
昭和の怪物・正力オーナーである
いきなり第1球から大リーグボールで相手のドギモを抜く飛雄馬だった
「避ケタばっとニぼーるガ当タル、運ガ悪イデスネー!」
しかし背後から視線を感じる飛雄馬
なんだ、このイヤな感じは…
と思いつつ、二人目も大リーグボールで打ち取る
また視線…
三人目も大リーグボールで打ち取る
3球でチェンジだが、飛雄馬は連続で大リーグボールを投げて疲れたようだ
「グ、偶然デハナイ…」
また視線…
「Oh、ナントイウコト…ばっとヲ狙ッテクル魔球…
野球常識ニハナイ、悪イ夢デハナイノカ、悪イ夢ッ…!」
カージナルス監督、カタコト日本語で長台詞
またまた視線…
「わかったぞ、誰かの眼だ!」とようやく気づく飛雄馬
カージナルスのベンチに誰か大物がいるのか?
「むむっ! 何が起こったんじゃ、飛雄馬!」
8回表、飛雄馬はノーヒットノーランを続ける
しかし視線はからみつく――「お前は何者っ…?」
そこに、「ピンチヒッター、オズマ」
これがオズマの初登場カット
――誰でしょうね…? と解説者
背番号13、この男の眼が飛雄馬に絡みついていたのだった
「飛雄馬の心を乱していたのはこの眼…」
――やはり事実だったんですね、私が聞いていたのは…
という解説者の話に聞き入る一徹
――なにか心当たりでも?
――この春に現地に視察に行ったときに記者から聞いた話なんですが、
カージナルスがチーム強化の遠大な計画を立てていたというんですね
――はあ…
――10年ほど前から、全米のスラム街からこれはいけると思った
黒人少年を拾って育てていたというんです…
――黒人をですか…
――その黒人を少年期から金と技術で徹底的にベースボールの天才教育を施すという…
――その一人があのオズマ…
――間違いないでしょう…
回想するオズマ、
パンを盗んで逃げるところをスカウトが発見
金を積んでオズマを引き取る
吉原に売られる娘みたいになっているが…
そして始まるオズマの科学特訓
ここに電気を流しても意味ない気がするが
70年代の未来的学習マシンである
これは選球眼強化訓練とのこと
サイコショックマシーン…ってナニ?
「グッドラック、ママ!」
パパが死んだと叫ぶママの声を振りきるオズマであった
このシーンはニューシネマの影響があるよね
今こそ俺の性能を試すときが来たんだ…とオズマは独りごちる
――それから10年間、秘密裏に養成された野球ロボットがそのヴェールを脱いだんですね…
――どんな訓練を受けたのか、考えただけでもぞっとしますね…
――そう、人間の形成に一番大事な青少年期を野球だけに縛りつけてしまう…
――そんなことが許されるのでしょうか…!
オ、オレのことか…? どきりとする一徹
バッターボックスのオズマを見て、同類を感じる飛雄馬
「お父さん…このオズマはなんだかとっても飛雄馬に似ているわ」
「うーむ、幼い時から日常生活がすべて野球一途に
鍛えられてきたということでは、わしも少々驚いている」
感心したふりをする一徹に、明子は首を振って、
「生い立ちのことではなくて、全体に漂うムードよ」
「何を言っとる、この無表情な大男と感情的な飛雄馬とどこが似ているんだ!」
幼い飛雄馬の姿を思い出す明子、俺は父ちゃんの操り人形じゃないと言っていた飛雄馬…
「…わかったわ、どこが似ているか…」と明子はハッとして、
「どちらを野球をやるための人形みたい、ゼンマイを巻かれた野球人形なのよ!」
「な、なんだとっ!」
「外国人でも日本人でも、他の選手には、
読書が好きとか恋愛中とか子供ができてうれしいとか、野球を離れたときの生活の臭いがあるわ、
なのに二人には全然ないわ!」
「何をくだらんことを大発見のように言っているんだ!」
「それは…そこまで野球に打ち込んでいるということだ…!」
明子、わしに何を言いたいんだ!?
「そんなことわからないわ、ただわかったのは、飛雄馬には生活…青春がないわ…」
「明子はこう言いたいんだな――
飛雄馬から青春を奪い、野球の操り人形にしたのはこのわしだと!」
息子の進むべき道を親が教えてはいかんのか!と叫ぶ一徹
教えた? お父さんのは、教えたんじゃなくて決めてしまったんだわ!
ええーい黙れだまれ!
「自分の娘でも女とは話ができん! 男の世界がまったくわからん!」
「飛雄馬、あなたは自分で自分の道を切り開いていると思い込んでいるんだわ…」
テレビを見て涙を流す明子であった
てゆか、姉ちゃんはいつもテレビを見ながら泣いてるよね…
そして、今気づいたが、この時代のテレビにはやっぱり卓上アンテナがなくちゃ…
「君と俺とは野球しか能のない野球ロボットだ――」オズマは飛雄馬を見つめる
否が応でもロボットにならざるを得なかった宿命を、俺は君の全身から感じる…
野球ロボット同士、日米どっちの性能がいいか…
来い!
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