巨人の星(再放送)[第81~82回]|傷だらけのホームイン&左門の築いた城
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第81回★傷だらけのホームイン
9回表ランナー2塁、花形と飛雄馬の対決
森捕手のサインて牽制球を投げて打ち気をそらそうとした飛雄馬だが、
背後からビームが!
ようし、大リーグボールだっ!
「はあああーっ!!」
何度見ても、これはかっこいいね。。。。
ボールは予告通りレフトスタンドへ
「おい、速水!」と川上は振り返ると、
「お前がいっていたことが実現したようだな、この後に起こる恐ろしいことも実現してほしいか?」
「いや、そんな…」と速水はごまかす
「貴様がもう少しはっきり言っていれば、未然に防ぐことができたかもしれんのだぞ、しかし、もう遅い…」
「──遅い?」
打撃のスロー再生を見た一徹、
「花形、貴様早まったか!」
「医者を呼べ!花形が死ぬ!死んでしまうぞおっ!」
3塁を回ったところで…
「うああっ」
這ってホームを目指す花形
ちくしょう…と落胆している飛雄馬は事態に気づいていない
「普通の人間ならとうに息絶えておる…」と一徹
そ こ ま で か?ww
「はっ、なんだこの静けさは…?」
ようやく気づいた飛雄馬、「は、花形!」
「…ベースは…どこだ…?」
かろうじて指先が届き、ホームラン成立
川上は速水にカンカンである
「お前は知っていながらわざと教えなかったな! 今すぐ球場医に告白せい!」
実況席に花形の容態が知らされる
──胸部筋肉の裂傷および内出血のため上半身は紫色に腫れ上がっています
また肩・手首などは複雑骨折、脱臼…もはやこれ以上読むにたえません…
「飛雄馬よ! 破れたりとはいえお前も男であった!」一徹は興奮しっぱなしである
「男と男が真剣の刀で差し違えたのだ! 投げも投げたり、打ちも打ったり、真の男の勝負であった!」
飛雄馬、花形の帽子を拾って、担架に横たわる花形の胸にのせる
「…なんて美しい顔をしているんだ…」
「星…くん…」
「ここにいるよ」
「見てくれたかい…俺のホームラン…」
「たしかにみたとも…すばらしかったぜ」
「まいったか…」
「何のこれしきのこと…忘れんでくれ、大リーグボールは成長するということを」
「そうか…じゃあ、この体が元通りになったら…また打ってやる…今度また君の球を打つのが楽しみだ…!」
「ありがとう…!」
「じゃあ…そのときまた会おう…」
花形の血だらけの手を握る飛雄馬
「こうまでして俺の球を打ったのか! こうまでして! こうまでして!」
打たれて本望、よくぞ打った──
花形の掌で、涙が血と混じる
感動せずにはいられない名シーンであり、さすがの速水も泣けてきてしまう
「ここまで野球に懸けるやつがいるとはっ…!」
「どうせもうクビだろうが、最後の土壇場にきて、ちくしょうっ…
俺って男は、なんて汚いっ…
野球がマスコミに名前を売る道具だけのものじゃないと、今になってわかりやがった…!」
川上はクビにせず二軍行きを命じるが
これ以降、速水はこの物語から姿を消すのである
涙に包まれる球場であった
第82回★左門の築いた城
興奮さめやらぬアナウンサーの実況を、タクシーの後部座席で聞いている左門
(ようやった花形と褒めてやりたか、
ばってん、できることならこのわしがやりたかった…)
大リーグボール最初の犠牲者になったのは記憶に新しい
兄の無様な敗北に泣いている弟妹たちに、
左門は背番号99を見せ、
「星の何倍も苦しみ抜いてきっと叩いてみせるたい!」と誓ったのである
アパート「みどり荘」に着いて、左門は明るい顔でドアを開ける
「どげんかしたとたい、そげんか顔をして」
花形に先に大リーグボールを打たれて不機嫌を予想していた弟妹たち、ほっとする
夕餉が始まり、
腹を減らした弟妹を眺めながら、
「わしがバットば握れんようになったら、誰がこの食欲ば満たしてくれる…」と考える
しかしそこへ日本スポーツの記者がドアを叩く
「あんたたちの用ばわかっとるわい」
「先ば越されたわしの感想を聞きに来た…残酷な思いつきたい
あんたたちは、さっきわしがこのドアの外でつくった作り笑いばムチャクチャにしてしもうたとですぞ!」
あんちゃん!と出てくる弟妹たち
ちよ、ひろ、まさひろ、みち、さぶ!
この2DKはわしの城ですたい、この城ば守らにゃいかんとですたい!
どうも~と帰っていく記者たちであった
一方、貧乏なら負けない一徹と明子
「どうじゃ、後楽園の調子は」
「第一試合は11対2で巨人、第2試合ばっかり6対5で今9回の裏よ」
野球基地外の父娘の会話である
「ほほう、金田か…」
花形に打たれた飛雄馬、登板させてもらえないのである
しかし、大リーグボールは花形個人に負けただけ、その花形はまだ入院中
花形との勝負は引き分けだったと言える、と川上
「日本シリーズではお前の活躍に期待しておるぞ」
しかし飛雄馬は浮かぬ顔である
新聞の切り抜きを伴に見せる
「誰もが生活がかかっている…
花形のようにたった一打席で玉砕するわけにいかない事情の上に、大リーグボールは通用しているのだ
そんなお情け魔球が大リーグボールなものか!」
これはなかなか深い台詞である
そして同じ記事を明子も見つけ、一徹に見せていた
「大リーグボールを成長させ、改良する以外にあいつの生きる道があるか!」と一徹
「玉砕じゃない、犬死にじゃない、飛雄馬だけがメソメソしていられるか!」
弟妹たちが寝た後…
「こんままじゃわしはダメになってしまう…」
左門は考えて眠れない
「星君は新しい大リーグボールば引っさげて立ち直ってくる、
すると花形はまた新しか打法でそれに立ち向かうだろう、
残されるのはこのわしだけじゃ…」
年長の妹・ちよが眼を覚まし――
「よかとよ、たとえ今の生活がこわれてしまっても
あんちゃんは自分のやりたかこつばやったらよかとよ」
「わしでんわかっとる、時が来たら、たとえお前らが反対しても
この城が土台から崩れ落ちようともたちあがなきゃならんだろうことも…」
兄と妹の良いシーンであった
日本シリーズは阪急に決まった
パリーグを制した西本監督、対巨人戦の作戦を聞かれて、
ある秘密兵器の選手に花形と同様の特訓をさせていると暴露
ええっと驚く巨人軍
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161