巨人の星(再放送)[第47~48回]|押しかけた十一球団&父・一徹のスパイク
(再放送)2010年10月4日~ 月~金 19:00~20:00(毎回2話放送) TVK 原作 - 梶原一騎(作)、川崎のぼる(画) 脚本 - 山崎忠昭、松岡清冶、佐々木守、長浜忠夫、辻真先、斉藤次郎、松元力、島修司、さわきとおる、吉田喜昭、山崎晴哉、宇佐美寛、伊東恒久、林すみ子、鈴木良武、竹内泰之、吉田茂承、斉藤望、金子裕 作画監督 - 楠部大吉郎、香西隆男、椛島義夫、斉藤博、遠藤正史 美術監督 - 小山礼司(1話-57話)→影山勇(58話以降) 美術デザイン - 小山礼司(67話以降) 音楽 - 渡辺岳夫 原画 - 塩山紀生、米川功真、荒木伸吾、小林治、森下圭介、小松原一男、石黒昇、今沢哲男、中村英一、芝山努、近藤喜文、北原健雄、前田実 他 コンテ - 吉川惣司、出崎哲、富野喜幸、奥田誠治 他 演出 - 長浜忠夫、出崎哲、小林きよ子、小林かおる、斉藤博、石川輝夫、奥田誠治、吉田茂承、斉藤望、吉川惣司、御厨恭輔 ナレーター - 小林恭治 協力 - 東京読売巨人軍 資料提供 - 越智正典(91話) 制作 - よみうりテレビ、東京ムービー * cast 星飛雄馬 - 古谷徹 星一徹 - 加藤精三 星明子 - 白石冬美 花形満 - 井上真樹夫 |
第47話★押しかけた十一球団
早朝の首都高速、近鉄、中日の車が旗をひらめかせながら競走している
西鉄、阪神、南海などの車も後に続く
東都スポーツの記事を見て、スカウトが星家に殺到しているのである
昨日来ていた球団は広島だったらしい
激しいデッドヒートに、長屋の静かな朝が破られるのであった
首をひねる長屋の住人、一人が「わかった、これだよ」
「よかったねえ、ちょいとおまいさん」
「なあ、こうこなきゃなあ」
「こうなったら、ひとつみんなでお祝いに行こう」
なんだか作りものくさいべらんめえの、長屋の人たちであった
居並ぶスカウトたちを前に一徹
「いったいどうした風の吹きまわしですかな」
早速ソロバンを出すスカウト、1000万円の契約金を出すという
なんだか夢みたいだ…と黙りこむ飛雄馬
「このところあまり気がめいっているので、こんな派手な夢を見るのか…」
一徹は「たとえ11球団全部来ても、ある訳があって入団させる意思はありません。お引き取りください」
11球団?とスカウトたちは気づいて、「巨人だけは別だってことか」
「よくある、女子供の好きな巨人大鵬玉子焼きなのか」
「しかし永久に巨人だけは現れますまい」と新聞を出す
川上が予想した通りの紙面である。
ガーンとショックを受ける飛雄馬
花形のやつ、断じて公表しないという俺の約束を破ったのか
それより、ひどいのは巨人だ、川上だ…と涙ぐむが、
「飛雄馬みぐるしいぞ、何もかも川上さんの言う通りだ」と一徹
逆にスカウトたちは巨人がダメと知って勢いづく
さあ君も男なら飛び込んで巨人をきりきり舞いさせたまえ!
そこへ一徹、「ではわしも言おう!」と割って入る
「男なら川上監督と本当の勝負をしろ!
巨人に入れればお前の勝ち、入れなければ川上の勝ちだ!」
「スカウトに来ないってものをどうやって入るんですか」
「この新聞は読んでないようですな」と一徹が出した讀売新聞
記事というより広告ですな
かりにも1000万円もらえるのに、新人テストだなんて…と一笑に付すスカウトたち
しかし飛雄馬はテストを受けることを決意
「よくいった、それでこそわしの子だ! さっそく練習だ、来い!」
「父ちゃんいくぜ!」
スカウトたちの前で長屋の投球練習が始まる
こりゃすげえやとスカウトたちはびっくり
目にもとまらぬ豪速球、ミットから煙が出ている
20年スカウトをやってるという男が、
「亨栄商業の金田以来だ!」
「これを取らないなんて、川上監督もいい加減唐変木だぜ」
褒め言葉に弱い飛雄馬、にやりとして甘い球を投げ、たちまち一徹に怒られる
「ちょっと待ってろ!」一徹が出してきたのはなんと養成ギブスである
久しぶりのボンテージ
中学生用だから、もう小さいんじゃないかなあ
「飛雄馬よ、モグラのように遠い巨人の星を仰いでいたあの頃に戻れ!
甲子園での活躍などなかったものと思え!」
飛雄馬、ギブスを付けたまま投げるが、球威はほとんど落ちていない
スカウトも長屋の連中もそら恐ろしいものを感じはじめる
「こりゃいかん、この坊やの目には巨人しか見えておらん…」
ということで一同は伴宙太を取りに向かう
しかし大造、大笑して宙太の顔を見ると、
資本金20億の伴自動車工業の未来の社長のお前を500万で貰いに来たとはな!
「宙太は大学へ行き、未来の社長としての教養を身につけなければなりません。
皆さんおかえりだぞ!」
しかし伴は飛雄馬が新人テストを受けることを聞いしまった
「やつはそれほどまでして巨人に入りたかったのか…」
伴、巨人に電話をかけてテストの日時を確認
今度こそ俺はお前についていくぞと覚悟をかためる
伴の猛練習、ハチマキが変
飛雄馬ももう練習
泪橋を渡る星父子であった
この橋の下には丹下ジムがあるはずである
泪橋は荒川区と品川区にあり、それぞれ小塚原と鈴ヶ森の刑場に渡る橋だったという
この世との最後の別れの橋、処刑される者との今生の別れの橋であった
第48話★父・一徹のスパイク
早朝、花形からの電報が星家に届く
コノチャンスヲイカシ キミノクイナキケントウヲイノル
明子がアイロンをかけてくれたユニフォーム
アンダーシャツにストッキング、バスタオル…とテストの用意
泊りで行くんじゃないから、バスタオルは要らなくね?
そして最後にこれだ、と一徹
ふう~っと埃を飛ばす
中身は、魔送球を生み出したスパイクであった
肩をこわして以来はじめて三塁手として起用された紅白試合でのこと
しかしこの魔球によって星は川上から巨人を去れと命じられる
川上が引いた沢村の言葉は「自分の誇りは一度もピーンボールを投げなかったことだ」
飛雄馬、その話は何度も聞いたよという顔で、
「やだなあこんなぼろっちいスパイク…」
「飛雄馬!」と明子がたしなめる
一徹「たしかにボロだ。あれは昭和12年…」
昔ばなしが始まってしまった
甲子園大会は当時「全国中等野球大会」といって、川上が中京商業と優勝をかけて戦っていた…
ラジオで川上を応援する若き日の一徹
じいちゃん初登場!
じいちゃんは一徹に野球を許さなかった
一徹はしかたなく会社員になったりしたが、それでも野球への情熱を捨てられず
そこへ川上がスカウトに来たのだった
昭和17年春、一徹は天才三塁手として巨人軍へ入団
しかし戦争は16年に始まっており、選手は次々と出征
ある日、審判の吉川さんに呼ばれた一徹ははるえに紹介される
知り合いの娘さんだ
一徹、一目惚れ
「それがお母さんだったのね」と明子は嬉しそう
一徹がついに一軍入りした日、記念にスパイクを買って帰ると、
なんと明子懐妊が懐妊したという
ところが赤紙
3つの偶然が重なった日だったというわけ
一徹は買ったばかりのスパイクを履かずに南方へ
昭和21年秋、復員するが東京は焼け野原
はるえたちを捜して闇市を歩き回る一徹
ようやく上野で吉川さんに会い、バラックで暮らすはるえと明子にようやく会えた
スイトンのためにがんばる明子
そこにプロ野球ニュースのラジオが聞こえてくる
川上はすでに復員して巨人軍に復帰しているという
あなたこれ…とはるえが出したスパイクを払いのける一徹
何をするんだ!と色をなす吉川さんに「私は野球ができない体になってしまったんです」
「治すんだ、君ならきっとできる」
そして復帰した一徹だが、一塁への送球はゴロに…
そして猛練習の結果、肩に負担のかからない変化球「魔送球」が生まれたのだった
「わかった、俺もこのスパイクを履いて父ちゃんの分までがんばるよ!」
「今こそわしも声を大にして言おう」一徹、ずずいと前に乗り出し、
わしの執念、母さんの祈りの染み込んだそのスパイクを履いて!
飛雄馬、わしの分まで生き返ってくれ、雄々しく不死鳥のように!
そして巨人のマークをその胸にしっかりと縫い付けて帰ってくるんだ!
「初めて口にしたわね、自分の夢を」と明子は感動
なんだか初めてのような気がしないけどなあ
明子が握った赤飯のおむすびをもって出ようとすると、
「誰かに挨拶を忘れてやせんか」
あ…と飛雄馬は母ちゃんに手を合わせる
スパイクの話に、母ちゃんへの挨拶…甲子園のときもしなかったことを言うなんて
今日こそ、俺の一世一代の大勝負の日なんだ、と飛雄馬は武者ぶるい
長屋の人々のバンザイを背に、イザ多摩川へ走る!
「あそこを走っていくのはお父さんよ、お父さんが走っていくのよ!」
この明子の台詞は、泣かせる…(;_;)
巨人の星 全11巻セット (講談社漫画文庫) ¥7,161